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現代編集論

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編集の新しい可能性を深化、探索における思索をまとめていきます。
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#inquire

書くことへのハードルを上げすぎないこと

イベントや講座に呼んでいただき、初心者受けにライティングについて話す機会がある。 その際、いくつか必ず伝えようと思っていることを決めている。書く前に準備をすることが大事だという話や文章の基礎的なルールなどだ。 最近、新たに伝えるようになったことがある。それは、書くことのハードルを上げすぎないこと。 ほとんどの人は文章を書くことに抵抗感を持っている。意識しているか、無意識かは人によると思うけれど。 文章を執筆するための技法やノウハウを覚えたところで、上手く書こうとしてい

編集の技を磨いていきたい1年のスタート #問いかけの作法 #CULTIBASELab

あけましておめでとうございます。今年はブログを更新していけるように、こまめに更新していく所存です。 inquireは来週まで年末年始休暇なのですが、一足早く登壇の仕事がありました。inquireで立ち上げから運営をお手伝いしているCULTIBASEでの登壇なので、「ゲストとして登壇しました!」というのは少し面映ゆいですが。 CULTIBASE編集長の安斎さんが昨年末に著書『問いかけの作法』を発売したので、その関連イベントとして開催されました。 「編集の技に学ぶ」というタ

音声というメディアで試したい3つのこと

やろうやろうと思いながら、なかなか着手できていなかったPodcastを、最近ようやくはじめました。 5回ほど配信してみて、少しずつ収録の仕方、収録時の話し方、音声編集の方法、配信などにも慣れてきました。 イベントで話したり、インタビューで話したりするのとはまた違いますが、これはなかなか面白いです。 元々、音声メディアをやりたいと考えていた理由は、大きく分けて3つあります。今回は、それぞれについて書いてみます。 テキストでは削られやすい余白や空気を共有したい 生煮えの

起業家を取材するという仕事

inquireはいろんなメディアの運営に携わりますが、コミュニティをベースにしたメディアが多く、フィールドワークをしているような気持ちでコミュニティに溶け込みながら、その中での情報の媒介役を担っています。 媒介役となるために、そのコミュニティについて理解を深めて、同じ言語でコミュニケーションできるように土地勘を形成し、継続して取材をしていって変化を可視化し、共通する文脈を言語化したり、場の編集を通じてつながりを生み出したりと、いろんなことをやってきました。 これは会社化す

経営における編集の可能性についての雑感

先週の週末は、メルカリの西丸くんが主宰するインハウスエディターコミュニティのイベントにお邪魔しました。 西丸くんは以前、インクワイアが主催するイベントにも登壇してもらったこともあり、個人的にはその続編のような気持ちでのぞみました。イベントの中で話した内容を踏まえつつ、メモのようなものを書いておこうと思います。 「インハウスエディター」という言葉に着目し始めたのは、2018年の頃。当時はどんな仕事なのかについて少しでも解像度を高められたらと、ferretさんの連載の中でこん

メルカリマガジンに見る、アプリがメディアを運営することの価値

メルカリが新たに個人の好きなものを応援するライフスタイルWebマガジン「メルカリマガジン」を公開しました。 この動きに対して、メディアの可能性に関して考えることがあったので、メモ書き程度にまとめておこうと思います。「こんな可能性もあるかも」程度の話なので参考までに。 メルカリはオウンドメディアをいろいろ運営しているので、メディアをやること自体に驚きはないのですが、このメディアはちょっと興味深いです。 このメディアのリリースを見て思い出したのが、Sansanが運営するメデ

ライティングとコーチングの境界線が面白そう

inquireではこちらのnoteで書かせてもらったように、いろんな組織の編集パートナーとして情報発信のお手伝いをしています。 編集パートナーとしての仕事の中には、ライティングの代行をすることもあれば、インハウスで発信ができるようにと執筆のお手伝いをすることもあります。組織の中で発信できるようになることも大事です。 発信を外部に依存していて、何かしらの理由で依頼できなくなってしまったら、発信もできなくなってしまうわけですから。このあたりも長くなるので、以前ferretに寄

Webライターのキャリアアップを考える

クリエイターのための総合情報サイト「CREATIVE VILLAGE(クリエイティブビレッジ)」にインタビューが掲載されました。 過去の仕事で何を考えてきたのか、継続して仕事を受けられるライターになるためにどうするべきか、という個人のキャリアについて話をさせていただきました。 自分だけの強みやテーマをどう作るか、それをどう周囲にわかるようにしていくか、「ライター」という仕事をどう拡張して市場価値を高めるか、など過去にブログで触れてきたような内容も改めてまとめていただいてい

アイデンティティを形にする仕事

今日はUNLEASHとして2回目のイベント開催。公開インタビューという形式で開催だったけれど、今回は3人のゲストをお呼びしてのトーク形式。 「デザインとアイデンティティ」というテーマで、CIやBIをデザインするデザイナーたちの話を聞いていきました。 なかなか、CIやBIを仕事にする人は多くない一方で、企業は存在意義やアイデンティティを再確認しようとする動きが高まっています。 整理された企業のアイデンティティをデザインする担い手も増えていかないと、せっかく整理された思想も

取材を関係構築と捉える

今週は出張で福岡に来ています。はじめての参加となるICCに、inquireが編集パートナーとして関わっている『XD』の取材で入っています。 1日会場にいると、知り合いに数多く会いました。そのほとんどは、『THE BRIDGE』で編集記者をしていた時代に取材を通じてお会いした人たち。 媒体を離れてからは少し時間が空いてしまっていたのですが、それでもこうして話ができるのはありがたいことだな、しみじみ感じました。 改めて感じたのは、取材は関係構築だということ。記事を作るための

BtoB領域のライターに向いているのはこんな人

「ライター」と一口に言っても、そのスタイルは様々です。得意な文章の型や専門とするテーマをかけ合わせていくだけでも、かなり多様になっていきます。 色々なライターが存在する中で、B2B領域で活動するライターの数はかなり少ない状況です。「ライターになりたい」という相談をいただくことも多いですが、B2B領域に関心を持つ人は少ない。 B2Bにおけるコンテンツづくりは専門性やビジネスリテラシーが必要なことも多く、ライターであれば問題なく対応できるわけではありません。このテーマに関心を

関係者コミュニケーションとしてのブログ

ブログを書いていると色々と利点がある。上記のようなツイートも、その一部だ。 僕はブログを書くとき、自分の思考のメモ代わりのようなつもりで書いている。目的は思考の記録であり、手段がブログ、結果として読まれることがあるという状態が、最もモチベーションが継続する。 もちろん、ブログの利点は他にもある。一つが「関係者」に自分の考えを共有するというものだ。たとえば、経営者のブログがインナーコミュニケーションに与える影響は大きい。経営者ブログ自体は珍しいものではないが、「関係者」とし

「場の編集」への意識を持つ

inquireが運営するメディア『UNLEASH』でイベントを開催した。当日のコンテンツについては先日ブログに書いた。 当然だけれど、イベントはコンテンツだけで成立しない。当日に至るまでのコミュニケーション、当日のセッティング、受付や会場案内、来場者の対応、終了後のお礼の挨拶、片付け、お礼の挨拶まで含めてがイベントだ。 イベントを企画する際は、来場者はもちろん、会場のスタッフやゲストも含めて気持ちよく過ごせる空間を作るための場の編集も必要だ。メディアを運営しているとイベン

自分の「休ませ方」を知る

inquireでは月イチで面談をしている。inquireでの仕事の振り返りから、次月の目標設定、他の仕事の様子やプライベートな相談まで、ざっくばらんに話す。 タスクマネジメントやタイムマネジメントについての話もするのだけれど、どうしたら自分を休ませられるかについて話すことが多い。みんな、つい仕事をしすぎてしまったり、切り替えができなかったりする。 「カームカンパニー」についてのエントリでも少し触れたけれど、安定して長くパフォーマンスを発揮するためには、休むことや楽しむこと