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企業が運営するメディアの可能性を探索する3つの問い

インクワイアでは、自社のメディア実践と、企業が運営するメディアの支援を両輪で行っています。昨今はメディアを取り巻く環境の変化も激しく、来年にはいろいろと挑戦が必要だと感じています。

背景にある課題などは共通しているものの、アプローチの仕方についてはベクトルが異なるため、自社のメディア実践とは分けて企業メディアの可能性探索についてのエントリをまとめてみます。

ここでは個人的に来年探索したいと考えている問いを備忘録的にまとめた内容を共有します。

可能性を探索するための3つの問い

オウンドメディアが登場しはじめたときとは環境は変わってきていますが、依然としてBtoB領域におけるコンテンツマーケティングや、採用ブランディングなど、企業におけるメディア運営で効果的なアプローチは存在します。

この他、企業が運営するメディアの可能性を探索するために、来年は以下の3つの問いを設定しようと考えています。

  1. パーパスを関係者に伝えられるか?

  2. 顧客と価値を共創する媒介となるか?

  3. 知をアーカイブする場所となれるか?

パーパスを関係者に伝えられるか?

これまで以上に企業の存在意義が問われるようになりました。パーパスを策定したとして、それだけでは伝わることはありません。社内だけでなく、社外の関係者にもパーパスをいかに伝えていくかは企業にとって重要なポイントになります。

オウンドメディアが、社内と社外のハブとしての機能を果たし、ステークホルダーとのエンゲージメントを強化する役割を担うことができれば、パーパスブランディングに寄与する施策となり得ます。

存在意義や使命をつたえるための発信は、「ブランドジャーナリズム」のような概念と重なる点もあると考えています。パーパスブランディングやブランドジャーナリズムを目的としたオウンドメディアが増えるのではないでしょうか。

顧客と価値を共創する媒介となるか?

もうひとつの問いは、オウンドメディアが顧客と価値を共創するための媒介役を担えるかどうか。近年は、メーカーを中心に企業が顧客やファンとの共創を目的としたコミュニティの運営に力を入れています。

メディアはコミュニティと表裏であることもあり、こうしたコミュニティと連動する形でのオウンドメディアには可能性を感じています。コミュニティで起きている出来事を伝えたり、コンテンツを通じてコミュニティに問いかけを行うことでインサイトを探ったり。そんな役割が担えるのではないか、といくつかの実践から感じています。

こうしたコミュニティとの連動以外にも、デザインリサーチとメディアをかけ合わせようという動きもあります。「コミュニティ」「メディア」「リサーチ」という要素をかけ合わせることで、顧客を知り、価値を共創していくためのアプローチが増えていくのではないでしょうか。

これらの文脈を踏まえて、オウンドメディアの役割や運営における勘所をまとめつつ、実践をしていきたいと考えています。

企業知をアーカイブする場所となれるか?

最後の問いは、企業における知をアーカイブする場所となれるかどうか。流通におけるハードルが年々高まっており、チャネル(集客するための経路)やヴィークル(情報伝達のための媒体、コミュニケーションの手段)の検討が難しくなっているように感じられます。

一方で、企業の活動はアジリティを高め、学習しながら取り組み続けることを是とするようになってきています。そうすると、様々な実践は増えるものの、それらが情報としてまとまることは難しく、参照しづらい状態が生まれます。

そのなかで、企業が運営するメディアが果たす役割として、知をアーカイブする場所になるというものがあるのではと考えています。ナレッジマネジメントやコミュニティアーカイブといった概念を参照しながら、知を蓄積する存在としてのオウンドメディアを探索していきたいと考えています。

いずれも実践例として目立ったものは少なく、ROIの判断もし辛い状態にあります。少しずつ実践例を増やしつつ、ROIの判断が可能になるようにできれば、こうしたオウンドメディアの役割が浸透していくのではないかと。

これらの問いを持ちつつ、来年もいろいろと実践を重ねていきたいと思います。インクワイアではメディア運営の伴走支援や、編集顧問としてのアドバイザリーなどを手掛けています。こうしたメディアの方向性を模索している方は、ぜひご相談ください。


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