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「経営」を伝えるための方法論の模索

スタートアップやスモールビジネス、非営利ベンチャーなどの領域が中心ですが、自身も経営を行いながら、経営に関する情報発信に関わるなかで、より実務に生きる知を伝えるための方法を模索したいという想いがあります。

折に触れてインタビュー記事などの作成をしてきましたが、そのなかで生まれたのが読者が求める「では自分たちはどうするか?」という疑問に応えるための知をさらに届けるための方法はないかという問いでした。

その問いに向き合う中でヒントがあるのではと考えたのが、ビジネスだけでなく、医療や教育など、さまざまな分野で用いられている「ケーススタディ(事例研究)」です。実際に起きた事例を分析して、その背後にある法則や傾向を究明していく研究手法、またはケースを活用した教育手法、

このケースを作成することを「ケースライティング」と呼ぶのですが、このケースライティングという観点から、実践を伝えるための方法を検討できないかと考えていたときに見つけたのがこちらの書籍。

本書では、ジャーナリストとして活動した後に、経営学者としても活動している著者による論考がまとまっています。

期待していたほどケースの書き方について触れる内容のボリュームは多くはありませんでしたが、ビジネスジャーナリズムと経営学の発信における境界のこれからを考える上での切り口がいくつか示されていました。

読者に届くようにするために書き方を変えていくというのは数年前の個人的な関心テーマでした(こちらは6年前に書いていたブログ)。

情報環境や日々触れるコンテンツの変化と共にこれらのアプローチも更新をしていく必要があります。が、書き方、伝え方に工夫をこらすために、別ジャンルのアプローチを取り入れるのは有用です。

一方で、最近では新聞における発信に関してナラティブを重視することの弊害や懸念も指摘されています。

こうした観点も踏まえて、企業、メディア、研究者というそれぞれの主体がどのように「経営」についての情報を発信し、人の関心を引いた上で、学習につなげられるかについて、引き続き考えてみたいと思います。

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