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企業発信におけるナラティブの使い所

西田亮介さんが朝日新聞の「Re:Ron」に寄稿されている記事を読みました。

新聞において、記者目線のエピソード重視、ナラティブ重視の記事が増えていて、そればかりになってしまわず、バランスを考えていったほうがいいのではと警鐘を鳴らしている内容。

これは新聞というメディアの特性や、社会において果たすべき役割を踏まえた内容ではありますが、「ナラティブ」をどう扱うかということは、コンテンツづくりにおいて考えておくべきこと。

近年、企業が社会的な存在意義である「パーパス」を持ち、そのパーパスを伝えていく手段として、当事者性を持った語りである「ナラティブ」を用いていこうという発信への注目も増しています。

また、ブランドジャーナリズムのように、企業が自らをジャーナリスティックな視点を持って取材・リサーチをしてコンテンツをつくって発信していくという手法についての言及が行われることもあります。

これらの流れから、企業の情報発信において、ナラティブを重視しながら、ジャーナリスティックな発信を行っていくケースが増える可能性も考えられます。

元々ジャーナリズムを担っていた新聞における情報発信において、ナラティブを用いた発信に関してどのような論点があるのかを知っておくことは、企業の情報発信を考える上でも重要です。

西田さんは上記の記事のなかにおいて、整理、分析、啓蒙に貢献する「機能のジャーナリズム」が求められているとも述べています。

筆者は、情報が少なかった時代のジャーナリズムを、速報、取材、告発を重視する「規範のジャーナリズム」と呼んでいる。これに対し、ネットやSNS、さらにAIによって情報があふれた時代に求められているのは、整理、分析、啓蒙(けいもう)に貢献する「機能のジャーナリズム」だというのが筆者の見立てだ。10年ほど前からこのような主張を行っている。

その「エモい記事」いりますか 苦悩する新聞への苦言と変化への提言

事業の専門性も高まり、多角化していく企業の情報発信にとっても、「機能のジャーナリズム」的な視点は重要になりそうです。


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