
物語とジャーナリズムの境界を探る、ナラティブノンフィクションの実践
「書き方の再発明」はここ数年考えているテーマの1つです。あちこちで、新たは手法の発明に取り組んでいる様子が散見されます。
HEAPSには、本人には取材せず、周囲への取材と観察からノンフィクション作品のように記事を仕上げる「ニュージャーナリズム」に取り組む、ゲイ・タリーズさんのインタビュー記事が掲載されていました。
「言葉を着飾らせて慎重に言いまわしを選び上品な動きをくわえる。踊りの振りつけのように。ジャーナリズムには、平凡なジャーナリズムとシリアスなジャーナリズムがあって、アーティスティックに書かれた後者はもはや“文学”であり、芸術にもなりえる。私はジャーナリズムを、画家や作曲家、劇作家たちがつくる芸術の境域にまで引き上げたかったんだ」
この記事では、事実描写を詩的に仕上げることで、ノンフィクションをあたかもフィクションのようなリズムとテンポで伝えることが「ニュージャーナリズム」と表現されています。
この記事を読みつつ、ノンフィクションの伝え方には、まだ色々な可能性がある、と改めて感じました。この記事で、以前オランダ人ジャーナリストのヨリス・ライエンダイクさんに取材したときに聞いた話を思い出しました。