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編集デザインのナレッジライブラリ

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メディアやコンテンツに関するナレッジを発信するマガジン。
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#inquire

ブランドがクリエイティブを自社で制作する動きは、オウンドメディア運営にも変化を与えそう

「編集部」を透明でフラットな組織にする実験

組織や人事に関心ある人の間では、英治出版から出版された『ティール組織 — マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』が話題です。 新しい組織形態には、「ホラクラシー」と呼ばれる組織形態もあります。従来のヒエラルキー型ではなく、フラットな組織形態。 「この働き方が正解」というものがあるわけではありませんが、会社のビジョンや事業形態、集まっている人々のタイプによって、適切な形態は変わってきます。 こうした組織の変化の裏側には、インターネットの普及によるリモートワークの働き

エディトリアルビジネスのための価値蓄積

「問い」を共有する記事をつくる

UNLEASHでは、新しい記事の書き方にいろいろとトライしてみています。 こちらは「SMOUT」という移住のプラットフォームが海外移住にも対応したというニュースを紹介するコラムです。 海外移住が当たり前になっていく中で、自らのアイデンティティはどこに帰属するのか、という疑問がここ数年頭の中をぐるぐる回っており、この記事の中ではその問いも一緒に共有しています。 実験的な取り組みではあるのですが、この記事をもとにNPO法人e-Education代表の三輪開人さんがブログを書

「インタビュー」を開く

先日、UNLEASHで初めてのイベントを開催しました。公開インタビューという位置付けで、話を聞くプロセス自体をコンテンツ化するという挑戦です。 これまでずっと記事を書いてきましたが、記事にする過程で様々な要素を削っています。そうしないと、読みづらくなってしまうからです。インタビュー中の面白さ、インタビュー前後での雑談にも面白い点は山ほどあります。編集が入り過ぎない面白さを共有できたらいいな、と。今回のイベントはそんな考えからスタートしました。 当日のインタビューで

メルカリのコピーライター募集要項に見る「ライター」「編集者」に求められる能力

最近、inquireに来る仕事の相談がこれまで以上に多岐に渡ってきています。 一部を抜粋するだけでも、BIやCIに関する言葉の整理、サービスのUXライティング、コーポレートサイトに掲載するメンバーインタビューの作成、オウンドメディアの編集パートナー、B2Bマーケティングにおけるコンテンツデザインなど色々。言葉を使う仕事に関する相談を数多くいただいている状況です。 幅が広いため、上記のような仕事をライターが対応していることもあれば、コピーライターが対応していることもあり、デ

関係者コミュニケーションとしてのブログ

ブログを書いていると色々と利点がある。上記のようなツイートも、その一部だ。 僕はブログを書くとき、自分の思考のメモ代わりのようなつもりで書いている。目的は思考の記録であり、手段がブログ、結果として読まれることがあるという状態が、最もモチベーションが継続する。 もちろん、ブログの利点は他にもある。一つが「関係者」に自分の考えを共有するというものだ。たとえば、経営者のブログがインナーコミュニケーションに与える影響は大きい。経営者ブログ自体は珍しいものではないが、「関係者」とし

メルカリマガジンに見る、アプリがメディアを運営することの価値

メルカリが新たに個人の好きなものを応援するライフスタイルWebマガジン「メルカリマガジン」を公開しました。 この動きに対して、メディアの可能性に関して考えることがあったので、メモ書き程度にまとめておこうと思います。「こんな可能性もあるかも」程度の話なので参考までに。 メルカリはオウンドメディアをいろいろ運営しているので、メディアをやること自体に驚きはないのですが、このメディアはちょっと興味深いです。 このメディアのリリースを見て思い出したのが、Sansanが運営するメデ

経営における編集の可能性についての雑感

先週の週末は、メルカリの西丸くんが主宰するインハウスエディターコミュニティのイベントにお邪魔しました。 西丸くんは以前、インクワイアが主催するイベントにも登壇してもらったこともあり、個人的にはその続編のような気持ちでのぞみました。イベントの中で話した内容を踏まえつつ、メモのようなものを書いておこうと思います。 「インハウスエディター」という言葉に着目し始めたのは、2018年の頃。当時はどんな仕事なのかについて少しでも解像度を高められたらと、ferretさんの連載の中でこん

音声というメディアで試したい3つのこと

やろうやろうと思いながら、なかなか着手できていなかったPodcastを、最近ようやくはじめました。 5回ほど配信してみて、少しずつ収録の仕方、収録時の話し方、音声編集の方法、配信などにも慣れてきました。 イベントで話したり、インタビューで話したりするのとはまた違いますが、これはなかなか面白いです。 元々、音声メディアをやりたいと考えていた理由は、大きく分けて3つあります。今回は、それぞれについて書いてみます。 テキストでは削られやすい余白や空気を共有したい 生煮えの