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インクワイアのナレッジシェア

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インクワイアが活動を通じて学んだ知識を集約・共有し、「ナレッジシェア」を行うマガジン。
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つくるコンテンツの「マルチユース」も考える

品質の高いコンテンツを作成しようとすると、その分コストや時間がかかります。このことは以前、コンテンツにおけるQCDについて紹介するエントリにて触れました。 せっかくコストや時間をかけて制作した質の高いコンテンツを、「ワンユース」で終わらせてしまうのではなく、複数の用途やチャネルで活用する「マルチユース」はできないかと考えることも大切です。 コンテンツをつくる際、社内にあるさまざまなアセットを整理し、目的に応じてチャネルを選定し、まとめていきます。ポッドキャストやイベント登

文章を構成するパーツを意識する

ビジネスシーンでテキストコンテンツにおいて、ライティングを行う場合、論理的な説明が必要なことも多いため、文章をどのように組み立てていくかが大切です。 文章を組み立てる上では、いくつかのパーツを組み合わせて大きなパーツをつくり、大きなパーツ同士を組み合わせて、さらに大きなパーツをつくるようなイメージで進めていきます。 このパーツの大きさを捉えずに組み立てたり、順番を考えずに組み立ててしまうと、完成した際にいい形にはなりません。個人的には、上記のような文章を構成するパーツを、

新しくつくるコンテンツの解像度を上げる3つのステップ

今回はメディアの立ち上げ時や新しいコンテンツにトライする際に、どのようにコンテンツの解像度を上げていくかについて、これまで触れてきた内容を踏まえて簡単にまとめてみます。新規コンテンツの解像度を上げるためには、以下のステップで進めていきます。 リバースエンジニアリング 要件整理 プロトタイピング まず、メディアとしてオーディエンスに伝えたいテーマやオーディエンスのニーズから参考になるコンテンツを集め、どんなコンテンツを作りたいのか、イメージを整理します。 コンテンツを

コンテンツのプロトタイピング

「プロトタイピング」とは、プロダクトやサービスの試作モデルをつくり、それをもとに、検証を重ねながら柔軟に軌道修正することで、より顧客満足度の高い製品などを開発する手法やプロセスのことを指します。 コンテンツづくりも「ものづくり」と捉えると、プロトタイピングが不可欠。コンテンツも試作段階を経ることで、磨きをかけられ、関係者との目線をあわせていきやすくなります。 特に、過去に例のない新しいコンテンツづくりに着手する際は、事前にどのようなものをつくるのかの目線合わせが欠かせませ

コンテンツをリバースエンジニアリングする

新しくメディアを立ち上げるとき、当然ですがまだ自分たちのメディアにはコンテンツがありません。そのため、どんなコンテンツを作ればよいか、関係者でイメージをすり合わせるところから始める必要があります。 抽象的なイメージだけでは、関係者間での目線が合いにくい。そこで、参考となるコンテンツを外部でピックアップし、具体的な要素を洗い出すことで、“目指すコンテンツ”の輪郭をはっきりさせていきます。 既存のコンテンツを、いわば「リバースエンジニアリング」して、つくりたいコンテンツのイメ

型とリズムをつくり、発信を継続する

毎月のインクワイアの動きをまとめてお知らせする「月刊インクワイア」を今月も配信しました。今年の5月から始めた取り組みも、なんとか10回目の更新を迎えることができました。 もともとは、会社の活動について発信があまりにもできていなかったり、複数ある会社の活動をまとめて伝える機会がなかったりしていたので、「まずはまとめて可視化だ〜!」ということで始めました。 はじめに、シリーズ共通のおおよその構成を決め、バナーのテンプレートをつくり、掲載するタイミングを定め、構成に沿って必要な

メディアとの関係性を育てる

事業やプロダクトを立ち上げたタイミングで、どうしたらメディアに取り上げてもらえるかという相談に乗ることがあります。仕事ではない範囲で、できるだけ力になれたらと思って、メディアの仕事をしてきた自分の経験から共有できる知見はお伝えしているのですが、おおよそ以下のようなことに集約されます。 メディア側には取り上げるタイミングや理由が必要で、取り上げてもらいたい側の論理だけではなく、相手の論理にも配慮すること。 メディアの文脈や領域を意識する。メディアの文脈と、事業やプロダクトの

ライティングに影響する要素仮説

「ライティング」と一口にいっても、イメージすることや捉え方は人によって異なることも珍しくありません。 そのため、ライティングについて教えようとする際、どこを基準にどのようなことまで、どう伝えるかということに頭を悩ませます。 今後、なんらかの形でライティングの技術や思考についてまとめていきたいと考えていて、どのように要素を整理しようかともやもやと考えています。 要素を分解してみながら考えていて、現状以下のように分解できるのではないかと。 姿勢 思考 文章以外の技術

コンテンツの要望・要求・要件・仕様を分けてみる

コンテンツをつくる際、形になってきたところで関係者の間で「つくりたかったものと違うな…」とズレが生じてしまうことがあります。ズレはつくっていく過程でどんどん広がっていくため、前の段階でズレがないようにチューニングすることが大切です。 そのためには、はじまりに近いタイミングで、「どんな目的で、どんなものをつくるか?」をできるかぎりすり合わせること。以前紹介した「コンテンツブリーフ」などは、すり合わせのためのツールのひとつです。 ただ、こうしたフレームを埋めても、まだすり合わ

BtoB領域におけるコンテンツの役割

インクワイアでは、コンテンツの戦略立案やディレクション、マネジメントなどのサポートを行っています。特に、BtoBにおけるコンテンツづくりが多く、今回はBtoB領域におけるコンテンツの価値について書いてみます。 BtoBと一口に表現しても、ビジネスは多様です。インクワイアが支援するのはSaaSをはじめとするソフトウェアや、いまはまだ形になっていない新しいテクノロジーやソリューションなどに関するコンテンツづくりです。 こうしたビジネスは、扱う商材が物理的に存在せず、触れること

コンテンツのストックとフロー

コンテンツを分類する考え方はいくつかあり、それらの考え方を切り替えながら、コンテンツの検討に役立てます。コンテンツを考える際によく用いる考え方が、「フロー」と「ストック」に分類するというもの。 たとえば、フローはトレンドのレビュー記事、最新ニュースの解説、イベントのライブ実況など。ストックは、ハウツー記事、ベストプラクティス、FAQなどがコンテンツの種類としては該当すると考えられます。 フロー型コンテンツは、リアルタイム性や時事性が強いコンテンツです。トレンドやニュース、

原稿をプロトタイピングする

プロトタイピングは、何かを作るときに「いきなり完璧なものを目指すのではなく、まずはざっくりした形を作ってみて、それをもとに修正や改善を重ねていこう」というアプローチです。 プロトタイプをつくることで、出来上がりのイメージがつかみやすくなったり、見落としていたポイントが早い段階で見つかったりします。関係者の認識を揃えながら、改善をどんどん行っていくために、プロトタイプを作ることは重要です。 ビジネスにおけるライティングを実施する際にも同様に「プロトタイピング」は重要だと考え

執筆の工程分解と時間見積の考え方

人には過去に計画どおりに進まずに失敗した経験が繰り返し起きても新たな計画を立てる際に楽観的な予測をする「計画錯誤」や、特に根拠がないにもかかわらず大丈夫だと考える「楽観性バイアス」といった認知のバイアスが働きます。 1本の原稿を書き上げるというタスクにおいては、こうしたバイアスが他のタスク以上に働きやすく、作業時間の見積がブレやすいと考えています。作業時間の見積ができなければ、設定された〆切に間に合うかどうかを検討することもできません。 時折、1本の原稿を書くのみであれば

記事のタイトルやリード文を考えるステップ

コピーライティングを考える際は、「what to say」(何を伝えるか)を考えてから「how to say」(どう伝えるか)を考えましょう、という話はよく耳にします。これはなにもコピーに限った話ではありません。 記事コンテンツはたいてい、タイトルとリード文、本文から構成されます。本文を読んでもらうための読者との接点であり、中身に関心を持ってもらうためのパッケージがタイトルであり、リード文です。 しばしば、タイトルやリード文を考えようとして筆が止まってしまっている光景を見