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暮らしが仕事、仕事が暮らし。

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日々の仕事や暮らしのことを綴る日記のようなブログです。 マガジンタイトルは、陶工・河井寬次郎の言葉より。
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記事一覧

稼ぎ、務め、遊び

江戸時代、仕事には生活費を得るための「稼ぎ」と、地域共同体のために活動する「務め」の2つがあり、両方ができて一人前という考え方があったそうです(よく見かけるのですが、少し調べただけでは出典見つからず)。 仕事を「稼ぎ」だけで捉えるのではなく、「務め」も合わせて捉えて、両立させていこうというのは、現代でも通じる考え方だと思います。ライフワークとライスワークを分けて考えよう、と言われることもありますが、個人的には「稼ぎ」と「務め」という考え方が好きですね。 個人的には、ここに

食べる体験に影響する情報

なにかを体験する際、背景にある知識や情報をどれだけ持っているかによって感じ方が変化しますよね。 映画やアート、音楽などの作品はもちろん、食事なども感じ方は変わります。飲食店のなかには、素材や調味料等に関しての情報を提供してくれる場合もしばしば。 使っている素材や調味料をどこから仕入れたのか、そこではどんな人物が 、どうやって作っているのか。食べ物を見る前、口に入れる前に、そうした情報に触れることで、想像を膨らませる。それもひとつの楽しみです。 口頭でそういった情報を教え

リハビリのようにまずは60日間毎日ブログを書いてみた

フリーランスから法人化し、会社が来期で10期目になります。10年近くともなると、フリーランスのときから変わったことも多々あり、ひとつが仕事の仕方の変化でした。 マネジメントやディレクションといった仕事の比率が増え、自分自身がコンテンツのライティングを行う機会は以前と比べて大きく減ったなぁという実感があります。 「ライティングは筋トレに近い」というのはフリーランス時代からずっと考えてきたことのひとつで、筋肉と同様にトレーニングしなくなると衰えていってしまうんですよね。 特

分人的職業人というあり方と社会のなめらかさ

先日、紹介した書籍『ふたしかさを生きる道具』のなかに、「分人的建築家」という表現が登場していたことを踏まえて、分人と職業、社会との関わりに関しての雑記。 「分人(dividual)」とは、小説家の平野啓一郎さんによって「個人(individual)」に代わる新しい人間のモデルとして提唱された概念です。中心に一つだけ「本当の自分」を認めるのではなく、対人関係ごと、環境ごとに分化した、異なる人格を持ち、それら複数の人格すべてを「本当の自分」だと捉えるという考え方。 上記の「分

自立共生のための建築─『ふたしかさを生きる道具』

友人たちが主宰する建築設計事務所「ツバメアーキテクツ」の10年の活動をまとめた書籍『ふたしかさを生きる道具』をご恵投いただきました。 下北沢でのボーナストラックをはじめ、様々な建築プロジェクトを手掛けてきたツバメアーキテクツの背景にある思索に触れられる内容でした。 「建築」は面白いものです。手掛けた建築家がどのような思想を持ち、どのような過程でそれをつくり、建築されたあとにどのような営みが生み出されているのかを感じられるから。パッと見たときのユニークさなども興味深いのです

無為とネガティブ・ケイパビリティ

複雑な問題への対応、長期的に物事に取り組む、システムチェンジなど、取り組むべきことが様々な観点から語られます。こうした対応を進めていく際に、共通して必要になるのが「ネガティブ・ケイパビリティ」です。 枝廣淳子さんが書かれたこちらの本を読んで、ネガティブ・ケイパビリティについての理解を深められただけでなく、システム思考やU理論、バックキャスティングなど、他のキーワードとのつながりも整理できました。 ネガティブ・ケイパビリティとは、詩人ジョン・キーツが最初に述べた「不確実なも

あえてお酒を飲まない「ソバーキュリアス」の実践

コンビニの棚を見ると、ノンアルコールの種類もかなり充実してきました。いろんな味のノンアルコールがあると、選ぶ楽しさも増えます。 ふと気になってノンアルコールはどれくらい広がっているのだろうかと調べてみると、サントリーの調査によれば2023年のノンアルコール飲料市場は10年前の約1.4倍の市場規模に成長しているそうです。2024年も対前年101%で成長が見込まれているそうなので、少しずつ成長しているようですね。 市場の成長以上に、価値観的な変化が進んでいるように感じられるの

数値化と客観視

健康状態のトラッキングに特化した指輪型スマートデバイス「Oura Ring」を数年愛用しています。 指輪型のデバイスは身につけていても気にならないので、使い続けやすいんですよね。使い続けていると、健康データが蓄積されていくので自分の状態を客観視しやすくなります。 元々は、睡眠のスコアを把握したいと思って使い始めました。年々ハードとソフトがアップデートされてきて、今では他にもいろいろな健康に関するデータが可視化されるようになってきました。 直近の大きなアップデートは、「心

多様な生業をブリコラージュする

ウェブの開発などで複数種類の開発技術を習得して、開発業務に様々な需要に応えられるような技能・スキルのことを「フルスタック」と呼びます。 フルスタックという名称で呼ばれていなかったとしても、特定の職種からスタートして、需要に応えて活動を続けてきた結果、従来の職種の枠組みを越えた様々相談ごとに対応している間に、自分が何屋なのかわからなくなるという話も耳にします。 変化の速度がますます加速している中では、目的や必要に応じて複数のスキルを組み合わせられる状態になっていたほうが、柔

マリメッコとブルーボトルコーヒーのコラボ

フィンランドのライフスタイルデザイン企業「Marimekko(マリメッコ)」と、ブルーボトルコーヒーが6月14日(金)から6月30日(日)の期間限定でコラボレーションを実施するということでお店に行ってきました。 コラボレーションの対象となっている店舗は、代官山と渋谷のブルーボトルコーヒー。渋谷の店舗に行ってみたのですが、外観と店内がブルーボトルコーヒーカラーで表現したウニッコデザインで装飾されていました。 ウニッコといえば、マリメッコの最も代表的なデザインの1つ。このデザ

アクティビティベースに働く場所を変える

その時々の仕事の内容に合わせて、働く場所と時間を自由に選択する「ABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)」という働き方があります。 元々はオランダから始まったワークスタイルで、オフィスの内外を問わず働く場所・時間を自由に選べるため、オフィス以外に自宅やカフェなどを働く場所にすることが可能です。 このアクティビティ・ベースドに働くというのは、会社のワークスタイルだけでなく、個人のワークスタイルとしても重要です。どの時間に、どの場所で仕事をするかというのはパフォーマンス

自分の基礎研究的アクションはなにか?

Togetterで、「パリコレに出ている服は、言ってみればファッションの純粋理論であって、ファッションにおける基礎研究のようなもの」という説明がまとめられていました。 別の領域のなかに例えてみると、その活動が理解できたり、重要性が腹落ちすることってありますよね。新しい技術への挑戦、思想やコンセプトの表現を行う機会を持ち、そこから実地のためにおろしていく。これは他の活動でも大事なことです。 なにかのスキルを持って仕事をしているとして、世に送り出しているものすべてが実地のもの

映画配給会社ロングライドのポップアップイベントへ

映画配給会社ロングライドが運営するLONGRIDE STOREのポップアップイベント「LONGRIDE STORE POP UP」が開催されるとのことで、映画『関心領域』を観た足で渋谷区神山町にあるコンセプトショップ「style department_」へ。 ロングライドは、ジム・ジャームッシュ、ケン・ローチ、ウディ・アレンなどの監督の洋画作品を配給する会社。ポップアップイベントでは、オンラインストアや劇場でのみ販売されていた人気商品やポスターの再販に加え、ロングライド作品

「いい仕事道具」の実物見る展示

PREDUCTS株式会社が、六本木のNew Stand Tokyo Galleryにて開催中の、いい仕事を生む、道具展『WORK TYPES』にお邪魔してきました。 主催であるPREDUCTSはもちろん、teenage engineeringやHHKBなどの実物も見てみたかったので、一緒にポップアップしてくれたのはありがたい機会。 teenage engineeringなんかはInstagramで見かけて気になっていたプロダクトだったので、実物が見れてテンションが上がりま