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アクターをつなぐ、共通の認識をつくる、恊働を生む

3年弱前に書いたブログにて、「価値星座」について言及していました。価値が鎖で直線でつながる「価値連鎖」(Value Chain)ではなく、星座のようにあちこちがつながることで価値となる「価値星座」(Value Constellation)が重要になっている、というものです。

もはや「サービス提供者/享受者」という関係ではなく、誰もが価値創造を担う主体=”アクター”であるので、SDLの議論では、BtoCでもBtoBでもなく「AtoA」と表現されます。

こうした仕組みにおいては、バリューチェーンのような「価値づくりには終点がある」という前提をおいていません。世の中のアクセス可能な資源をすべて視野に入れ、それらを星座のようにつないで価値を生み出しているので、「価値連鎖」(Value Chain)ではなく「価値星座」(Value Constellation)ともいわれます。

価値は提供するものではなく、共創するものへ。「サービス・ドミナント・ロジック」で共創する顧客体験を考える|Experience Insights #9

こうした考え方と合わせて、着目していきたいのが「システムチェンジ」という概念。この概念は、「複雑な課題を表層的ではなく根本的に解決する取り組み」を表すとされています。Catalyst 2030によれば、システムチェンジは以下のように定義されています。

  1. 多様なアクターが協働し、

  2. 症状ではなく根本原因に取り組むことによって、

  3. マインドセット、目標、構造、ルール、情報の流れ、パワー・ダイナミクスを

  4. 変化・転換・または根底から変革することを通じ、

  5. 地域レベル、国家レベル、またはグローバルレベルで、

  6. 社会・環境課題の永続的な(lasting)改善を達成すること

多様なアクターの恊働についてなど、価値星座とシステムチェンジは、それぞれ登場している文脈は異なりますが、重なりがあるように感じられます。

複雑な問題の解決に取り組み、一社での取り組みでは解決が難しい事象が増えているいま、共創やコレクティブな問題解決が求められています。これはビジネスセクターにおいても、非営利セクターにおいても同様。

共通して重要になるのは、取り組もうとしている対象を取り巻くシステムを捉え、共通の認識を持ち、多様なアクターとつながって恊働すること。まだまだ実践が社会に情報として流通する前段階の印象ですが、セクターは違えど似た動きが起きているものをキャッチアップして、相互に考え方を活かせそうですね。

アクターをつないでいくことや、共通の認識を形成したいくことなど、上記で触れているような重要な部分に対して、編集やメディアが貢献できるところもあるのでは、と個人的に考えています。こうした動きをキャッチアップしながら、実践につなげていこうと思います。

少し前に書いたオウンドメディアにも共創が必要だ、という観点との共通項もあると思うので、引き続き考え方を整理していきたいところ。


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モリジュンヤ
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