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ステークホルダー資本主義の実践と、AtoA、価値星座のつながり

ポスト資本主義、新しい資本主義など、いろいろな言葉で語られる、脱・株主中心の資本主義(株主至上主義)。

従来の株主至上主義では、短期的な株主の利益の最大化が最も重要と位置づけられやすい、本来企業活動に関係する人たちの利益を損なってきたと言われています。

ステークホルダー資本主義は、企業が従業員や、取引先、顧客、地域社会といったあらゆるステークホルダーの利益に配慮すべきという考え方。

先日、共同代表として活動しているIDENTITYでは、地域の資源を活かす事業をつくっていることについてのブログを書きました。

取引先や地域社会に対する眼差しを取り入れて事業を設計するようにしているのですが、これはIDENTITYが取引先や地域社会をステークホルダーとして捉えているとも言えるのではと考えています。

このことを考えていて思い出したのが、プレイドさんのオウンドメディア『CX Clip』で掲載した一橋大学大学院 経営管理研究科 国際企業戦略専攻 藤川佳則 准教授のインタビュー内容です(インクワイアでCX Clipの運営をお手伝いしています)。

インタビュー内容は「サービス・ドミナント・ロジック」が主テーマですが、そのなかで「AtoA」や「価値星座」という単語が登場します。

もはや「サービス提供者/享受者」という関係ではなく、誰もが価値創造を担う主体=”アクター”であるので、SDLの議論では、BtoCでもBtoBでもなく「AtoA」と表現されます。

こうした仕組みにおいては、バリューチェーンのような「価値づくりには終点がある」という前提をおいていません。世の中のアクセス可能な資源をすべて視野に入れ、それらを星座のようにつないで価値を生み出しているので、「価値連鎖」(Value Chain)ではなく「価値星座」(Value Constellation)ともいわれます。

価値は提供するものではなく、共創するものへ。「サービス・ドミナント・ロジック」で共創する顧客体験を考える|Experience Insights #9

事業活動を営む関係者は、利益を分け合うステークホルダーであり、価値創造を担う主体としてのアクターである。そう捉えて、資源をつないで価値を生み出していく価値星座の実現を目指す。共に価値創造を担うアクターであるなら、利益に配慮するのも自然なことだと言えます。

近年、ステークホルダー資本主義について語られることも増えてますが、「そうしなければならない」から実践することではなく、そうすることが価値創造につながるという考えで実践を重ねていきたいと思います。


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