スモールビジネスのバイブル─『ビジネスを育てる 新版』
園芸ガーデニング商品を専門とするカタログ・小売企業「スミス&ホーケン」を設立した起業家、ポール・ホーケン氏の著書『ビジネスを育てる 新版』を読みました。
約40年にわたって読まれてきたというスモールビジネスについてのバイブルの復刊であり、クラシコムの代表である青木耕平さんが「最も強く長期間にわたって影響を受け続けた書籍」として解説を寄せていました。
著者の経験を踏まえつつ、ビジネスを小さく始めて育てていく上での考え方や姿勢について綴られた内容。とても数十年前の内容とは思えず、現在でも十分に学びに溢れた内容です。以下、いくつか刺さったポイントをメモ的に。
ビジネスは遊びである
楽しくやろう
ビジネスは人柄の試金石になる
ビジネスは個性や思想を表現するアートになり得る
お金がありすぎることは、足りないより悪い
規模はもはや優位性にはならない
小さく拙く始めても、スケールは可能
「する」ではなく、「である」こと
現場から学ぶ、ビジネスは身体知
健全な成長のヒントは生物や植物の成長にある
個人的にもビジネスをする上で大切にしたいと考えていることが様々記述されており、繰り返し手にとって読む本になりそうです。
「スモールビジネス」という領域は個人的に強い関心を持っていて、社会においてスタートアップや大企業の新規事業とはまた違った役割を担えるはずと考えています。
日本語でスモールビジネスというと、持つイメージにばらつきがありそうなのですが、上記にメモしたような要素を持ったビジネスがそうだと捉えています。厳密には、それぞれ違いがありますがB corpやゼブラ企業などもここに概要するとも言えるのではないかと。
ただ、こうした領域のビジネスは輪郭が定まっていない、観点がいくつかあるがゆえに、なかなか実践知がシェアされにくいとも感じていて。ここに対して自らも実践しつつ、実践知が流通するようにしていくにはどうしたらいいかとしばらく考えています。