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SNSの功罪を確かめる社会実験

ブラジルでは一ヶ月ほど前から旧Twitter(X)が全面的に停止されて、1カ月が過ぎました。ブラジルでは、2022年の大統領選挙以降、Xがフェイクニュースやヘイトスピーチの温床となっていると批判されてきました。

これまでにもブラジルの最高裁はXに対して、特定のアカウントのブロックや違法コンテンツの削除などを繰り返し命じてきましたが、イーロン・マスクは裁判所の命令に従わず、今回の停止命令に至りました。

市場調査会社E marketerの調査によると、2024年のブラジルにおけるXの月間アクティブユーザー数は約4,050万人と推定されるそうです。サービス停止となると、多くの市民が重要な情報源の1つを失うことになると指摘されていました。

いろいろと問題点は指摘されつつも、日本においてもXの利用者は未だに多く、アクティブに利用されているソーシャルメディアのひとつです。そのサービスが国によって停止されると、どのような変化が生じるのかというのは気になりますよね。

停止から一ヶ月ほどが経過したブラジルでは、いろいろと変化が表れているようです。今日掲載された日経新聞のこちらの記事では、使えなくなって困っているユーザーもいるものの、再開したとしても利用しないだろうという人も多いようです。

民間調査会社がXの停止後に実施したアンケートによると、約2割が以前からコンテンツの内容を理由に利用頻度を減らすかやめるかしていた。利用者でも4人に1人は、Xの利用が解禁されても再び使おうとは思わないと答えた。3割以上の回答者が、Xの利用停止によってメンタルヘルスが改善したと感じていることも分かった。

もともと、問題があるとは思っていたところに、強制的にアクセスできない事態が到来したことで冷静に考える機会になったのかもしれませんね。

問題があるとは感じつつも、有用性もあり、功罪があるSNS。個人でSNSから離れる人は耳にしますが、集団でサービスにアクセスできなくなるとどんな変化が生じるのか。その社会実験として、ブラジルの事例は興味深いです。



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