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「好きなこと」に30年かける覚悟

格闘ゲームのプロゲーマーとして知られるウメハラ選手が、「日本eスポーツアワード2024」にて、eスポーツ功労賞を受賞していました。受賞に際して紹介されていたウメハラ選手のコメントが以下のようなものでした。

「ゲームに限らず、自分がこうだって思うことやってると、評価されるまでには時間かかるということなんでしょうね。俺はこれが正しいと思ってたし、何と言われてもそれを曲げなかったけど、10歳とか11歳ぐらいからはじめて、30年かかってようやく『ありがとうございます』と言われた気分なので、みなさんも何か好きなことがあるんだったら30年後ぐらいに評価されるつもりでやったらいいんじゃないかなと思います。ありがとうございました」

GAME Watchの記事におけるウメハラ選手のコメント

現代は変化する速度が早く、刻々と変わっていくなかで生きていると、「できるだけ早く」何かの結果や成果を得ようと考えてしまいます。SNSなどを通じて、他者が「成功」していると思われる様子を見つけやすくなり、その情報環境が自身に影響をもたらします。

自分が「好き」だと思って始めたことだったはずなのに、いつのまにか周囲との比較や結果が出ないことの焦りなどから、「好き」だという気持ちに対して疑いの気持ちが芽生えてしまうなどのノイスが生まれ、継続に疑問が生じてしまう場面もあると思います。

本当に価値のあることを成し遂げようとするのであれば、地道な努力の積み重ねや長い時間が必要なはず。とりわけ、過去に例がないような「好きなこと」で仕事にしていくのだとしたら、社会に認められて成果が出るまでにウメハラ選手のように30年という長い時間を要することもおかしくありません。

30年という年月は、人生の中でも決して短くはない時間です。かつ、その道のりには必ずしも「右肩上がり」ではなく、停滞やスランプ、周囲の理解が得られない時期など、浮き沈みが当たり前にある。紆余曲折ありながらも、活動を継続していくためには、「この先30年にわたって大切な時間を注ぎたいか」と自らに問うことは、自分が何に本気で取り組むのかを見極める上で大きな指針になるはず。

長く時間がかかるとして、それだけのエネルギーと時間を何にかけるのか。それを見極めるのは非常に困難です。ウメハラ選手は10歳ごろに格闘ゲームに出会って、そこから30年。テーマに出会ってから30年が必要だとしたら、出会うのにはどれだけの時間がかかるのか。見つけようと思ってすぐに見つかるものでもないので、見つけるのに半生、その後に半生、くらいの気持ちで向き合うことも必要かもしれません。

自分もいろいろと活動してきていますが、ウメハラ選手にとってのゲームのようなテーマが見つかっているかはなかなか自信が持てません。ですが、引き続き探しながら、見つけたあとには時間をかけて活動を積み重ねていきたいと思わせてくれるニュースでした。


以下は、過去にブログに書いてきた「やりたいこと」や「好きなこと」に関するエントリ。


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モリジュンヤ
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