時間をかけて好きになる仕事もある

僕は就職活動の最初は銀行員になろうと思っていた。21歳ごろのことだから、今より約10年前だ。当時の自分は文章を書く仕事をするなんて露にも思ってなかったし、ましてや会社を立ち上げているなんて思っていなかった。まったく、人生はどうなるかわからない。

今のような仕事をしているとよく聞かれるのが「文章を書くのは元々好きだったのか」という質問だ。僕は作文が嫌いだったし、国語は苦手だったし、大学受験は小論文のないところを選んだ。文章は全く好きじゃなかった。何かしらのスキルを持った仕事に従事する人が早期からその経験を積んでいるわけじゃない。

自分の関心があるテーマを伝える仕事に関心を持ち、Webメディアでライターをすることになった。なんの経験もない素人を拾ってもらった、とも言える。編集部で編集やライティングを経験し、フリーランスでライターや編集をしていた数年。ずっと、「自分には才能がない、向いていない」と思いながらなんとかやってきた(今でもそう思ってはいる)。

元々、文章が好きではなかった自分が手段としてライティングに向き合い続けて、少しずつ、少しずつ好きになっていった。上達していく過程が良かったのかもしれないし、自分が書いた文章が誰かの力になった経験が積み重なったのがよかったのかもしれない。今では、どんな仕事をすることになろうと、自分の時間の一定の割合で文章は書いていこうと思えるようになった。

物事を好きになるには時間がかかる。最初から好き度がマックスで、ずっとそのまま好きなんてことはない。続ける中でいろんな苦労や楽しい出来事を重ねて、良さがわかっていって、少しずつ好きになる。恋愛でも、仕事でもそうなんだろう。

最近は「やりたいこと」や「目標」を持つことが求められる。「好きを仕事に」なんて言われもする。けれど、最初から「やりたいこと」「目標」「好きなこと」が明確なことのほうが稀だ。焦って決めた気になってしまうほうが良くない。

僕は時間をかけて、今の仕事を好きになった。どんな仕事をするか迷う人も、少し長めの時間軸で考えてみてもいいんじゃないだろうか。

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モリジュンヤ / inquire

編集者、inquire Inc代表。NPO法人soar副代表、IDENTITY共同創業者。 noteでは、編集やライティング、メディアやビジネスなどについて書いてます。

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