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現代編集論

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編集の新しい可能性を深化、探索における思索をまとめていきます。
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コンテンツづくりの変数を捉えて成長のための課題を設定する

製造業においては、「QCD」と呼ばれる大事な要素が存在します。QCDとは、Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)の頭文字を並べたもの。 4年以上前ですが、ferretにこんな記事を書きました。メディア運営やコンテンツ開発も、製造に関するナレッジから学べることが多々あります。 コンテンツ開発の変数QCDというわけではありませんが、コンテンツ開発のスキルを分解する際に以下のように分けられます。 質=Quality 速さ=Speed 量=Qu

「ライターになりたい」だけで終わらない

「ライターになりたいと思っています」 イベントに登壇した後に、こう話しかけられることがある。一度や二度じゃない。僕は何かなりたいものがあることはいいことだと考えているので、基本的に応援する。 ただ、こう言われただけでは僕から返せる言葉は「なったらいいじゃないですか」くらいしかない。ライターになるのに資格はいらない。なりたいならなればいい。 物事はシンプルに考えるなら「やりたいか、やりたくないか」「やるか、やらないか」でしかない。ライターになりたいのであれば、文章を書くし

UXデザインプロセスにライターとして関わる可能性

(過去にMediumへ投稿したものを転載) 「UXライター」という職種が北米で登場している。2016年後半から、GoogleやAmazon、DropboxやPaypalなどの企業が募集している様子。 ▷UXデザイナーと何が違う?最近話題の新しい職種「UXライター」とは? ▷UX Writerという職種に懐かしさしかない これまでにも、UIにおけるライティングの重要性を伝える動きはあり、プロダクト開発にもライティングは重要な役割をもつことが語られてきた。 ▷ライティン

新たなコンテンツ開発手法の確立への試行錯誤

書籍「リモートチームでうまくいく」などを出版されているソフトウェア開発会社ソニックガーデンさんは、「納品のない受託開発」というコンセプトを提唱したことでも知られています。 納品のない受託開発について詳しくは、ソニックガーデンさんのサイトを観ていただけたらと思いますが、月額定額や仕様の変更や優先順位の変更に柔軟に対応するなど、「納品」によって発生していた構造的な課題を突破しようとアプローチされています。 デザインファームのroot代表の西村さんが伴走型のクライアントワークに

伝える仕事をする人間として複雑さから逃げない

情報自体が希少だった時代は終わり、情報は飽和してしまってそれ自体に価値はなくなっています。むしろ、ノイズを減らすために受け取る情報を減らす、コントロールするための手法などが流通するようになりました。 そんな状況において、メッセージを届けるために「ストーリー」の重要さが語られる場面も増えています。ストーリーの定義は、物語や筋書きですが、情報発信やマーケティングの文脈においては、人々の「共感」を得るための手段として語られています。 例えば、これまでに起きた出来事を伝えるエピソ

ライティングとコーチングの境界線が面白そう

inquireではこちらのnoteで書かせてもらったように、いろんな組織の編集パートナーとして情報発信のお手伝いをしています。 編集パートナーとしての仕事の中には、ライティングの代行をすることもあれば、インハウスで発信ができるようにと執筆のお手伝いをすることもあります。組織の中で発信できるようになることも大事です。 発信を外部に依存していて、何かしらの理由で依頼できなくなってしまったら、発信もできなくなってしまうわけですから。このあたりも長くなるので、以前ferretに寄

Webライターのキャリアアップを考える

クリエイターのための総合情報サイト「CREATIVE VILLAGE(クリエイティブビレッジ)」にインタビューが掲載されました。 過去の仕事で何を考えてきたのか、継続して仕事を受けられるライターになるためにどうするべきか、という個人のキャリアについて話をさせていただきました。 自分だけの強みやテーマをどう作るか、それをどう周囲にわかるようにしていくか、「ライター」という仕事をどう拡張して市場価値を高めるか、など過去にブログで触れてきたような内容も改めてまとめていただいてい

「ことば」で組織づくりや事業づくりを支援する

昨年、inquireと山本 郁也さんが代表を務めるデラシネとで連携して、企業のCIライティング、サービスのUXライティングを支援する「ことばのコンサルティング」をはじめました。 「ことばのコンサルティング」は、企業のビジョン・ミッション・バリューなど、企業の軸となるCI(コーポレートアイデンティティ)のライティング支援、Webサービスやその他プロダクトなどにおけるキャッチコピー、ボディコピー、ボタンのラベル、エラーメッセージなど、あらゆるテキストの設計をお手伝いするパッケー

オウンドメディアも次の段階へ

連日、ICCでのインプットからのブログです。今日は、オウンドメディアリクルーティングのセッションから。 indeedさんがオウンドメディアリクルーティングという概念の提唱に力を入れていて、その話に触れつつ採用という経営課題についての話でした。 セッションの内容については冒頭のツイートに紐づけてメモしているのでそちらを見てもらうのが良いかと。 オウンドメディア自体はある程度浸透してきた概念ですが、環境の変化によって改めて注目を集めるようになってきてます。 採用ブランデ

取材を関係構築と捉える

今週は出張で福岡に来ています。はじめての参加となるICCに、inquireが編集パートナーとして関わっている『XD』の取材で入っています。 1日会場にいると、知り合いに数多く会いました。そのほとんどは、『THE BRIDGE』で編集記者をしていた時代に取材を通じてお会いした人たち。 媒体を離れてからは少し時間が空いてしまっていたのですが、それでもこうして話ができるのはありがたいことだな、しみじみ感じました。 改めて感じたのは、取材は関係構築だということ。記事を作るための

BtoB領域のライターに向いているのはこんな人

「ライター」と一口に言っても、そのスタイルは様々です。得意な文章の型や専門とするテーマをかけ合わせていくだけでも、かなり多様になっていきます。 色々なライターが存在する中で、B2B領域で活動するライターの数はかなり少ない状況です。「ライターになりたい」という相談をいただくことも多いですが、B2B領域に関心を持つ人は少ない。 B2Bにおけるコンテンツづくりは専門性やビジネスリテラシーが必要なことも多く、ライターであれば問題なく対応できるわけではありません。このテーマに関心を

メルカリのコピーライター募集要項に見る「ライター」「編集者」に求められる能力

最近、inquireに来る仕事の相談がこれまで以上に多岐に渡ってきています。 一部を抜粋するだけでも、BIやCIに関する言葉の整理、サービスのUXライティング、コーポレートサイトに掲載するメンバーインタビューの作成、オウンドメディアの編集パートナー、B2Bマーケティングにおけるコンテンツデザインなど色々。言葉を使う仕事に関する相談を数多くいただいている状況です。 幅が広いため、上記のような仕事をライターが対応していることもあれば、コピーライターが対応していることもあり、デ

「問い」を共有する記事をつくる

UNLEASHでは、新しい記事の書き方にいろいろとトライしてみています。 こちらは「SMOUT」という移住のプラットフォームが海外移住にも対応したというニュースを紹介するコラムです。 海外移住が当たり前になっていく中で、自らのアイデンティティはどこに帰属するのか、という疑問がここ数年頭の中をぐるぐる回っており、この記事の中ではその問いも一緒に共有しています。 実験的な取り組みではあるのですが、この記事をもとにNPO法人e-Education代表の三輪開人さんがブログを書

「インタビュー」を開く

先日、UNLEASHで初めてのイベントを開催しました。公開インタビューという位置付けで、話を聞くプロセス自体をコンテンツ化するという挑戦です。 これまでずっと記事を書いてきましたが、記事にする過程で様々な要素を削っています。そうしないと、読みづらくなってしまうからです。インタビュー中の面白さ、インタビュー前後での雑談にも面白い点は山ほどあります。編集が入り過ぎない面白さを共有できたらいいな、と。今回のイベントはそんな考えからスタートしました。 当日のインタビューで