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現代編集論

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編集の新しい可能性を深化、探索における思索をまとめていきます。
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#本

学び方を学び、考え方を学ぶ

「知識」ではなく、「知恵」があるか。そんなフレーズをよく耳にするようになった。一度学んだことがすぐ古くなってしまうほど、新しいことが続々と生まれている。 変化の早い時代では、学び方を学ぶことが大切になる。最近、英治出版から発売された『Learn Better』も、学習の方法に関して紹介された書籍だ。生きづらさの解消のために、学びや知恵が必要なのではと考える機会が増えていて、メディアでできることはないか、とそんなことを日々考えている。 ちょうど本日読み終えた「世界のエリート

思考法・発想法としての「書く」行為

inquireが運営しているライティングを学び合うコミュニティ「sentence」では、ライティングの持つ可能性を色々な視点から伝えていこうとしています。 これはinquireが取り組むライターや編集者の可能性の拡張にも通じる話ですが、「ライティング」という行為は何も必ずしも「記事を書く」に限ったものではありません。 人は実に色々な場面で言葉や文章に接しており、うまく付き合っていくことが生きやすさや働きやすさにつながっていくとsentenceでは考えています。 いくつか

発想は「観察」の積み重ねから生まれる

inquireではゲストを招いての勉強会を実施していて、最近では長谷川リョーくんのチームと一緒に、プランナーの人から「インサイト」の掴み方やコンテンツへの落とし方について学ぶ機会がありました。 勉強会の中で「インサイトを見つけるためには、日常から何かしら新しい発見のある事実を自分なりに見つけていく必要がある」という話がありました。 デプスインタビューやフォーカスグループインタビューなど、ユーザーインタビューを通じてインサイトを掴むこともありますが、そのインタビューに取り組

物語とジャーナリズムの境界を探る、ナラティブノンフィクションの実践

「書き方の再発明」はここ数年考えているテーマの1つです。あちこちで、新たは手法の発明に取り組んでいる様子が散見されます。 HEAPSには、本人には取材せず、周囲への取材と観察からノンフィクション作品のように記事を仕上げる「ニュージャーナリズム」に取り組む、ゲイ・タリーズさんのインタビュー記事が掲載されていました。 この記事では、事実描写を詩的に仕上げることで、ノンフィクションをあたかもフィクションのようなリズムとテンポで伝えることが「ニュージャーナリズム」と表現されていま