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チームの可能性をひらく

前回は短期的な小さな恊働について書いた。恊働を長期的で大きなものにしていこうとすると、チームについて考える必要が出てくる。チームとしてどのように活動するのか。これは様々な観点で語られるテーマだ。

エドガー・シャイン氏は「これからはチームよりもチーミング」と語ったという。ハーバード・ビジネス・レビューによれば、チーミングとは「複雑で不確実性の高い状況でもっとうまい仕事のやり方を考え出しながら、協働して課題を片づける方法」と説明されている。

チームはチーミング、オーガニゼーションはオーガナイジングだと捉えたほうがしっくりくる。いずれも、状態が固定化した名詞ではなく、常に変化を続ける動詞として対象を捉えようとする意思が込められている。実際に小さなチームや組織にいくつも関わってきて、動詞的に捉えるほうが腹落ちはする。

この捉え方が腹落ちすることは、実践が容易になることと同じではない。依然として、チームを運営する道のりは困難に満ちている。ミンツバーグの組織論のように、捉え方のレンズは増えているが、場面場面でどのように考えて、ふるまっていけばいいのかの情報は少ない。

人の集まりであるため、共通した学びもある。一方で、人の集まりであるがゆえに、ひとつとして同じチームというものは存在しない。人は同じではないからだ。場所や時代が変われば、最適解も変化してしまう。これらの変数を踏まえて、複雑な対象を捉えて、よりよい方向に進むために関わることが求められる。

もちろん、これは非常に難しい。だが、難しさを乗り越えていくための学習を積み重ねていかなければならない。私が理事として関わっているNPO法人soarでは、社会課題の解決に取り組もうというチームのための講座を開講する。答えを共有できるとは限らないが、綴ってきたような課題を乗り越えていくため機会になると考えている。


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