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コンテンツをリバースエンジニアリングする

新しくメディアを立ち上げるとき、当然ですがまだ自分たちのメディアにはコンテンツがありません。そのため、どんなコンテンツを作ればよいか、関係者でイメージをすり合わせるところから始める必要があります。

抽象的なイメージだけでは、関係者間での目線が合いにくい。そこで、参考となるコンテンツを外部でピックアップし、具体的な要素を洗い出すことで、“目指すコンテンツ”の輪郭をはっきりさせていきます。

既存のコンテンツを、いわば「リバースエンジニアリング」して、つくりたいコンテンツのイメージを構築していく方法について紹介します。

リバースエンジニアリングとは

リバースエンジニアリングとは、本来はソフトウェアや製品に対して、構造や仕組みを逆算して解析する手法を指します。

これをコンテンツに応用して、「コンテンツがどのような設計思想・戦略・要素によって成り立ち、成功しているのか」を逆算的に捉えてみます。

リバースエンジニアリングの前段階として、まず「どのコンテンツを分析するのか」を決めていきます。

ピックアップしやすいのは、つくろうとしているメディアと同じテーマや競合にあたりそうなコンテンツです。あとは、領域は違っていたとしても、オーディエンスに提供したい体験が近しいものは参考にするポイントが含まれているので、こちらもリサーチしていきましょう。

似たコンテンツばかりでは分析がはかどらないので、マッピングするような気持ちで少し広めにピックアップしていきます。

参考要素を抽出し、リストアップする

ピックアップしたあとは、それぞれのコンテンツを要素に分解していきます。「これは真似したい」「ここは優れている」「ここはあえて取り入れない方がいいかな」といった気づきをどんどん洗い出します。

以下は、洗い出す要素の例です。

  1. トンマナ・デザイン

    • ビジュアルの色使い、フォント、レイアウトなどのデザイン要素

    • 写真やイラスト、動画などのビジュアルアセット

  2. 構成・情報設計

    • 情報の並びや構成

    • カテゴリやタグ設計

  3. コンテンツの質と量

    • テキストの分量

    • 専門性の高さや読みやすさ

    • 企画のたてつけや文体

こうして抽出した要素をもとに、「なぜこのコンテンツはユーザーを惹きつけるのか」「逆に、どこが改善の余地があるのか」を考えてみます。

  • ユーザーにとって うれしい部分(プラス要素) はどこか

  • ユーザーが 面倒だと感じる部分(マイナス要素) は何か

  • 他の競合と比較してユニークな強み は何か

などを考えながら、参考にしたいGoodポイントと、参考にしないBadポイントに振り分けていきます。

メディアごとにビジネスモデルや運営の目的は異なるため、参考にする要素を絞り込むステップでは、そのあたりの違いを考慮することも大切です。

“あるべき姿”を要件に落とし込む

参考コンテンツをピックアップし、要素を分解して分析したら、以下のようなステップでコンテンツに反映する要件としてまとめていきます。

(1) 重要なキーワードを選び出す

  • 話し合いながら、「どの要素を重視するか」「何が自社らしさを表すか」をキーワードとしてまとめます。

    • 例: 「専門性」「コミュニティ感」「読みやすさ」「楽しさ」など。

(2) 要件に変換する

抽出したキーワードを要件に変換しましょう。たとえば「コミュニティ感」が大事ならば、文体をやわらかくする、読者からの意見を取り入れる企画を行う、など。

(3) 優先順位をつける

すべての要素を参考にして追求するのは困難です。登場している要素の優先順位をつけていきましょう。

  1. 絶対に外せない要素

  2. できれば組み込みたい要素

  3. リソースが許せば対応する要素

こうして情報を整理していったら、それをコンテンツの設計書となるように、要件として絞り込み、フレームとしてまとめて、どのようなコンテンツをつくればいいのかの方向性を確認する土台をつくります。

コンテンツをリバースエンジニアリングして、分解した要素を整理して、要件という形で再構成することで、関係者間でつくりたいコンテンツの目線を揃えていく進め方について紹介しました。新しいコンテンツを考えようとしている方は、ぜひ参考にしてみてください。



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モリジュンヤ
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