目標の高さと現在地、二点を結ぶ自分の行動を振り返る

登山漫画『岳 ―みんなの山―』を手がけた石塚真一が描くジャズ漫画『ブルージャイアント』が面白い。

舞台の始まりは、仙台市。仙台といえば、「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」というジャズフェスが有名。街のあちこちでジャズが演奏される市民音楽祭だ。

この街で、日々をなんとなく過ごしていた高校生がジャズに目覚め、のめり込んでいくストーリー。

毎回、コミックの巻末にはその巻にキャラクターが未来の姿で登場し、”当時”の主人公に関する思い出を振り返るシーンが収録されている。この場面にもグッとくる。

ただ、何より読んでいて心を掴まれるのが、主人公たちが一分一秒でも長くジャズのことを考え、その世界で世界一になることを目指して努力を重ねている姿。

作中では、生活のすべてを目指すべき場所に向かうために投入する生き方が描かれている。多くの人がしたくてもできていない真っ直ぐな生き方に、読んだ人は何かしらの刺激を受けるんじゃないだろうか。

僕は、才能の存在は否定しない。ただ、それ以上に何かを成し遂げる人というのは、あらゆるリソースを自分の成長のために投入できている人だと思う(それを才能と呼ぶのかもしれないけれど)。

何かを成し遂げたいと考えているのなら、それに向けての努力が必要だ。そして、自分が努力するべき基準を、どこに置くのかが大事になってくる。その基準は、目標の高さ、現時点の自分のレベルによって変わる。

自分はどこを目指して、そのために何をしていて、現在地はどこなのか。『ブルージャイアント』の最新巻を読むときは、毎回そのことを自分に問い直す機会になっていたりする。

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