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作りながら批判的思考を促進する「Critical Making」への関心

最近、「Critical Making」というアプローチに注目しています。このアプローチは、作るプロセス自体にも意味を見出し、実践を通じて社会的、文化的な文脈において、批判的に考察することを目的としたもの。

マット・ラットル氏が2000年代に提唱した「Critical Making」は、「ものづくりのプロセスにおいて、批判的思考を促進し、技術と社会の関係性について深い理解を促す実践」と定義されます。

複雑な問題や「やっかいな問題(wicked problems)」にどう取り組むのかといったことは大きなテーマになってきました。こうした問題に向き合うためのアプローチも登場してきています。

これらのアプローチでは、観察や体験、対話、システムの可視化などを行っていくことがアクションとして挙げられます。思考や情報を中心に向き合っていることが多いという印象を持っているのですが、これらだけではやっかいさや複雑さに向き合い難い場合も考えられます。

具体的なものを作っているからこそ、気付けること考えられることもあるのでは、という視点から「Critical Making」に関心を寄せています。「作りながら考える」というアプローチは、市民権を得てきたものです。

こうしたアプローチと、やっかいさや複雑さに向き合うアプローチとをうまく重ねていくことで、社会の課題を解決していくことにつながっていくのではないかと。この直観を確かめていくために、インクワイアとしても何かしら「Critical Making」の実践を重ねていけたらと考えており、UNLEASHはそのためのプロジェクトにもなりそうです。


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