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僕が子どもたちのためにできること

最近、知人・友人に子どもが生まれることも増え、数年前と比べて配慮しなくてはいけないな、と考えることも増えてきた。自分たちでイベントを開催するときには、赤ちゃんを連れてきても大丈夫、と伝えるようにしてる。

会場に赤ちゃんがいると、グループワークをしているときなど、とても癒される。参加者も自然と笑顔になって、赤ちゃんが持つ癒やしの力は本当にすごいと感じさせられる。

カナダには、「ルーツ・オブ・エンパシー(ROE)」という教育プログラムが存在する。このプログラムは、生後2〜4ヵ月の赤ん坊を囲むセッションと、セッション後に赤ん坊と対面し観察した経験を通して、子どもたちが自分の心理を掘り下げる時間がある。

4〜14才の子どもたちがこのプログラムを経験することで、子どもたちの間で仲間外しやいじめが90%減少するという調査結果がでているそうだ。日本でも「赤ちゃん先生プロジェクト」という名前でプログラムが実施されている。

こうした活動やその結果からも、赤ちゃんは実に色々な可能性を持っていることが感じられる。少子化と言われている中で、少なくなっている子どもたちを大切にすることは、先に大人になることができた自分がやらなくてはいけないことなんだろうな、と考えたりする。

僕自身は、編集や執筆という仕事を軸にしているので、直接子どもたちのための活動をするわけではない。その代わりに、NPO法人3keysやNPO法人Teach for Japanに寄付をするなど、豊かな可能性を持つ子どもたちを支援する団体を応援することにしてる。

紹介等で子どものための活動をしている人たちと会うこともしばしばあるのだけれど、最近、新しくNPO法人親子の未来を支える会代表理事の林伸彦さんと知り合った。

彼らが日本に浸透させようとしているのは「胎児治療」という領域だ。技術の進歩によって、出生前診断を行うと、妊娠中の赤ん坊に障害や病気があるかどうかが高い精度でわかるようになっているという。

海外では、出生前診断を行い、異常があることがわかれば、妊娠中に治療も行うことが普通になっているそうだ。先日、noteで多様性について触れたけれど、林さんの活動は多様性や障害といった領域にも関わってくる。

妊娠中に病気になってしまった胎児は、障害を持って生まれてくる。海外では、障害者として生まれた人々のために支払う社会保障費よりも、胎児のうちに治療する費用を負担するほうが安いという考えから、胎児治療の費用を全額負担している国もあるという。

林さんは、中国、英国、スペイン、ベルギー、米国で胎児医療研修を行ったのち、日本における胎児医療の必要性を感じて、産婦人科医になった。産婦人科を経験して感じたことは「法や社会が出生を強要しているのに、障がいへの社会的理解・サポートが充実していない」という問題だった。

さらに、胎児期に救える命を見つけるために出生前診断を行うと、結果として中絶が増えるという矛盾にも直面する。問題や矛盾に直面した彼は、いまロンドンで胎児治療の現場に携わりながら、論文を執筆し、NPO法人を立ち上げて代表を務め、アクティブに活動している。

親子の未来を支える会で取り組んでいるのは、オンラインピアサポートの開発だ。中絶に悩んだ経験を持つ家族や、障害を持って生まれた子どもを育てている家族など患者家族会と医療者が一緒になって、中絶を決める前に病気や患者のリアルを知ってもらうためのサービスを作ろうとしている。

胎児治療の浸透やオンラインピアサポートの開発によって、林さんは多様性を認め、誰もが障害を感じずに暮らせる世の中にしていくことを目指している。

胎児治療は、胎児の人権に対する考え方や法律、倫理観など、様々な要素が絡む複雑な問題ではある。だが、それでも理念を持って子どもたちのために活動する林さんのような人たちを、僕は応援していきたい。

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モリジュンヤ / inquire

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inquire Inc. CEO。「社会変容の媒介になる」をミッションに、コミュニケーション・デザインや事業・組織づくりのお手伝い。「思いやり」のある経済をつくりたい。
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