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TOCを参考にコンテンツ制作フローをつくり、生産性を上げる
コンテンツ制作において、質の高いアウトプットを安定して生み出すには、単に作業時間やメンバーを増やすだけでは不十分です。
フローにおけるボトルネックを見つけ出し、それを改善することで全体の効率とクオリティを同時に高めることが求められます。
今回は、TOCというフレームワークをコンテンツ制作プロセスに取り入れ、生産性を高めるアプローチを紹介します。
「TOC(制約条件の理論)」とは
TOC(Theory of Constraints:制約条件の理論)は、組織やシステムのパフォーマンスを制約する要素に焦点を当て、その制約を特定し、改善することで全体の効率を向上させる経営手法です。この理論は、エリヤフ・ゴールドラット博士によって提唱されました。
主に、製造業の生産管理などで活用されてきたフレームワークですが、プロジェクト管理、マーケティング、コンテンツ制作など多岐にわたる分野で応用されています。TOCは、主に以下の5つのステップで構成されます。
制約(ボトルネック)の特定: システム内で最もパフォーマンスを制限している要素を見つける。
制約の活用: 特定した制約を最大限に活用し、他の要素がその制約に合わせて動くように調整する。
制約の改善: 制約を解消するための具体的な改善策を実施する。
他の要素の調整: 制約が解消された後、他の要素を再調整し、全体の流れを最適化する。
再評価: 新たな制約が発生していないかを確認し、必要に応じて再度プロセスを繰り返す。
ポイントは、全体のパフォーマンスを阻害している最も大きな要因(ボトルネック)に焦点を当てること。その制約を優先して改善することで、作業効率の底上げを図れる点が魅力です。
コンテンツ制作のフローと主なボトルネック
この考え方をコンテンツ制作に当てはめてみます。まず、コンテンツ制作大まかなステップを見てみましょう。
以前、こちらのブログでも紹介しましたが、コンテンツ制作はいくつかの工程に分解されます。
上記のぶログでは細かく分解してみてますが、大きくまとめると以下のようなステップになります。
リサーチ・企画
執筆・制作
編集・校正
デザイン・ビジュアル作成
公開・配信
続いて、上記のようなステップとしたときに、よく発生するボトルネックを例示してみます。
アイデア出しが進まない/決まらない → 企画段階の停滞
執筆の遅延/スピード不足 → 量産性や品質管理の面で問題
編集・校正のフィードバックが遅れる → 納期全体の遅れを誘発
デザインや制作チームとの連携が非効率 → ワークフローが分断され時間ロス
公開・配信のタイミングがバラバラ → コンテンツのインパクトが分散
ボトルネックを解くために、ここからさらに要素を分解し、改善する方法を定めて素早く実践していきます。
「コンテンツ制作のスピードがおそい」と感じた場合は、まずはコンテンツ制作フローを洗い出し、どこが最大のボトルネックかを客観的に把握することが大切です。
ボトルネック解消後も継続的に改善
TOCでは、特定したボトルネックを改善し終えたら、次に生じている制約を特定して再度最適化を図る「継続的改善」が重要です。
新たに浮かび上がってくる制約を見逃さず、また同じプロセスに沿って改善を繰り返すことで、持続的に生産性とクオリティを高められるようになります。
このプロセスを継続的に回し、振り返りを重ねることでコンテンツづくりの生産性とクオリティの両立を目指しましょう。
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