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小さなネットメディアが生き残るために事業を開発する力を磨く

ペイウォールも増えましたが、ネットメディアはまだまだ無料で読めるものも多い状態です。そのコンテンツの無料提供を支えてきたのが、広告収益でした。

こうしたデジタル広告はサード・パーティー・クッキーを中心とした技術によって収益を上げてきました。ですが、サード・パーティー・クッキーの規制によって、ターゲティング広告の配信に大きな制限がかかることで、ネットメディアは収益の大幅な下落が予想されています。

こちらの記事でその背景の解説とともに、収益が減少した媒体が2つの「危険な選択」をとるのではと警鐘を鳴らしています。それは「既存の広告サービスから得られる収益が低下した媒体が次にやるのは、『CPMが高い不適切な広告を受け入れる』か、『広告枠を増やす』こと」。

仮にこうした選択をするとしたら、先日更新したエントリで記載したような「安心して記事を読めるメディア」からは遠ざかってしまいます。

これまで広告によって運営を支えてきたネットメディアは、代替技術の検討やサブスクリプションモデルの導入によるビジネスモデルの変革に取り組み始めている状態。

ここで、ネットメディアよりもより小さな規模で運営する媒体を「ウェブマガジン」と表現して、安心して記事を読めるウェブマガジンのビジネスモデルについて考えてみたいと思います。

それを考える上で良い示唆が得られるのが、先日アナグラムの阿部さんがポストしていたこちらの内容です。こちらは個人の発信に関する内容ですが、小さな媒体であれば構造はほぼ同じだと言えます。

小さなネットメディアが広告を中心に収益を上げようとすると、アテンションの奪い合いが激化するアテンション・エコノミーな環境の中ではいかにインプレッションを獲得するかの厳しい勝負になります。

加えて、こうなると阿部さんが述べている通り、発信の仕方として主語が大きくなりやすく、なにかを煽るような発信を行う力学が強まります。そうなれば、結果としてメディアとしての信頼性を残ってしまう可能性も高い。

じゃあどうするか?という点については、インプレッションで直接ビジネスをするのではなく、バックエンドで収益につながる受け皿を持ち、情報発信はそこにつなげる手段と捉えること。

このバックエンドの収益源がなにであるかは、ウェブマガジンがカバーするドメインや実現したいことによっても変わってきます。いずれにせよ、ある程度の事業を開発する力は必要になると考えています。

受け皿ができれば、情報発信の質を保ちながら、継続できる可能性が見えてくる。あとの課題は、発信とマネタイズの双方にうまくリソースを振り分けること、でしょうか。

媒体の規模が大きくなければ、創出する事業の規模もスケールするものでなくてもいい。発信主体が、発信内容と相性のよい事業を検討し、作り上げていく力を身に着けていくことが、良質な情報が社会に流通する上では大切だと考えています。

ではどのようにそれらを実践するのか、については継続して検討しているところなので、引き続き挑戦しつつ、都度発信していけたらと思います。


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モリジュンヤ
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