「サンリオ時間」という非財務の経営KPI
上場来高値をつけるなどキャラクターのライセンス事業を中心業績が伸びているサンリオ。身近にも大人にも子どもにもファンが多く、根強い人気を感じている企業です。サンリオが先日、中間決算を発表しており、決算資料のなかに「サンリオ時間」という表現が登場していました。
「サンリオ時間」とは、顧客がキャラクターや製品・サービスに「夢中」になった時間や、キャラクターがついた文房具を使っている時間、身の回りにあるグッズを見ている・触れている時間など、サンリオが顧客に「寄り添っている」時間のことを指すそうです。
サンリオは、企業としてこの「サンリオ時間」をできる限り増やし、笑顔の機会をたくさん作っていくことを目指しています。この時間は、サンリオの社会価値(非財務目標)として、既に掲げている経済価値(財務目標)とは別に、経営のKPIとしてモニタリングしていくと宣言してます。
財務目標は、さまざまな企業の価値を共通して計測するために必要な指標。ですが、企業の個性や価値観、存在目的が異なるなかで、すべてを財務指標だけで測ることにも限界があります。サンリオのように、非財務目標を設定し、それを経営のKPIとして設定するアプローチは非常に興味深い。
経営が重視する非財務価値(マテリアリティ)としては、CO2排出量や環境貢献量などが用いられるケースは耳にすることがありますが、こうした社会価値がどう経済価値につながるかのストーリーが見えにくいという批判もあります。
サンリオの「サンリオ時間」は、会社が目指している未来や事業とつながるストーリーを感じやすい指標ですし、社内外に対して機能する良い目標になっていそうだと感じました。
自分たちの会社にフィットしていて、かつ経済価値にもつながりが見える社会価値・非財務指標はどのようなものが考えられるか?というのは検討してみても面白いかもしれませんね。
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