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「UXライティング」とは何か?Evernote、Mediumに関わったUXライターが語る

今日は、WeWork Marunouchi Kitaguchiで開催されたイベントに参加。テーマは、海外で注目が集まっていると聞いていた「UXライティング」について。

ゲストとして登壇したのは、AIスタートアップスタジオのAll Turtlesの共同創業者であり、EvernoteやMediumなどのUXライティングを手掛けてきたJessica Collier氏。

All Turtlesは、Evernoteの共同創業者 元CEO Phil Libin氏が立ち上げたスタートアップスタジオ。

All Turtlesでは、プロジェクトの事業化を目指す起業家が試作版から実際のプロダクトを開発するまでの指導や、バックオフィス業務を担うことなどを通じて、こうした起業家が会社経営に煩わされることなくプロダクトの開発に専念できる環境を提供している。

イベントでは、彼女のこれまでのキャリアや携わってきたプロジェクトについて紹介がありながら、UXライティングとは何なのかについて紹介された。イベントで話された内容の概要をレポートする。

なぜ、UXライティングなのか

言葉は至るところに存在する。言語は変われど、それは変わらない。

Jessicaが例で挙げたDropboxでは、システムの中では27000個もの単語が使われているという。

使われている単語の役割は様々で、ユーザーに機能を理解してもらったり、ユーザーの目的達成をフォローしたりしている。

単語がUXをの良し悪しを左右する。にも関わらず、サービスやプロダクトに対する要望を色々なステークホルダーが言い、それを反映することで文言が支離滅裂になってしまう。

そうすると、体験が断片化されてしまい、ユーザーはいろんな人に話しかけられているような体験になる。

わかりやすい、使いやすいプロダクトのためには言葉は重要。少ない言葉で伝えようとすると、言葉のブラッシュアップが必要だ。

UXライティングって何?

UXライティングとは、プロダクトとユーザーのコミュニケーションをデザインするものであり、言葉そのものよりも言葉の意味合いが重要だと、UXライターとして仕事をする人々は語っている。

UXライティングは、「ユーザー中心設計+ライティング」とも言うべき仕事であり、言葉を入れるのは仕事の一部だ、とJessicaは言う。

情報の構造を意識し、どのタイミングでどの情報をユーザーに提供するかも意識しなければならない。

一人の人間だけではなく、他の人が言葉を使いする際にも統一された言葉のルールで単語が増えていくよう、ルールを整えていくこともUXライターの仕事だ。

UXライターとは?

UXライターは色々な言われ方をする。コンテンツデザインやプロダクトライティングなどだ。中には、コンテンツストラテジストと言われていた人もいるという。

UXライターという役割が生まれたのは、ここ4〜5年の頃だという。JessicaがUXライターという肩書を手にしたのは、2014年の頃にEvernoteに居たころだったそうだ。

彼女自身は、文学をバックボーンとしており、「英文学」の博士号を持っている。UXライターに取り組むために必要な3つの方向性として、以下のようなものが挙げられるという。

- 言語学のバックボーン
- プロダクト開発の知識
- 問題解決への姿勢

UXライターは、毎日プロダクト開発に関わるデザイナーやエンジニアとコミュニケーションをする。UXライターとして活動する上でのTipsとして、下記のようなポイントが語られた。

- ワイヤーフレームでもリアルなコンテンツを使う
- 既存の言葉を使う- 固有名詞を使いすぎない
- わかりやすく、正確に、行動できるように
- ユーザーに耳を傾け、ユーザーが普段使う言葉を知る
- ゴールオリエンテッド

UXライターのゴールは、言葉のプロでなくともライティングができるようになること。そのためには、言葉の管理も非常に重要だ。これはプロダクト開発以外にとっても同様。

プレゼンの最後では、実際にサービスの画面を見ながらテキストの改善点などを見ていった。わかりやすさや、運営側の意図が明確に伝わるか、文章は長くないか、専門用語などを使っていないかなどがポイントとして挙げられていた。普段から使っているサービスの単語や文章をチェックするだけでもトレーニングになりそうだ。

最後に、JessicaからはUXライティングを学ぶための記事や書籍についてのリストが共有された。UXライティングに関心がある人はチェックしてみるといいかも。

日本語でUXライター、UXライティングの情報が流通し始めたのは、2017年のはじめ頃だったと思う。ライターの新しい可能性を模索する自分にとって、一つの可能性として気になった。

サービスやプロダクトに関わる人でライティングに力を入れたい人、ライターの人でプロダクトに関わりたいと考えている人の参考になれば。

【追記】以下は、当日のプレゼンスライド。


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