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新紙幣とキャッシュレス

本日から新紙幣の発行が始まりました。一万円札に渋沢栄一、五千円札に津田梅子、千円札に北里柴三郎の肖像が印刷されています。新紙幣は順次、金融機関に引き渡され、店舗で手にすることができるようになるようですね。

個人的には生活における支払のほとんどがキャッシュレスに移行していて、新紙幣の発行についてはかなり関心が低い状態でした。社会全体ではどうなのだろうと少し気になり、調べてみると2023年のキャッシュレス決済比率は39.3%。

経済産業省
2023年のキャッシュレス決済比率

キャッシュレス決済比率の政府目標は2025年までに4割程度とのことなので、順調に比率は向上しているようですが、まだ社会全体では4割弱みたいですね。

こうしたなかでの新紙幣の発行は、キャッシュレスへの移行をさらに強める面もありそうです。完全にキャッシュレスに切り替えることで、新紙幣への対応や現金の補充に手間がかからなくなり、従来より運用にかかるコストが減少するため。実際、新紙幣の切り替えに伴い、いくつかの事業者は完全キャッシュレス化を模索しているようです。

以前、Suicaの開発者の方椎橋章夫さんにインタビューした際に、Suicaの導入は切符の改札機の入れ替えのタイミングに間に合うようにしていた、という話を聞きました。たとえ利便性が向上するとしても、そのためにまだ使える設備があるにも関わらず、追加の投資をするという判断はなかなか難しいもの。

ただし、どうせ変えなければならないタイミングなのであれば、より合理的な方を選択する。新紙幣の発行とキャッシュレス化に向けての設備投資のニュースを見て、そんなエピソードを話を思い出しました。


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