書くことへのハードルを上げすぎないこと
イベントや講座に呼んでいただき、初心者受けにライティングについて話す機会がある。
その際、いくつか必ず伝えようと思っていることを決めている。書く前に準備をすることが大事だという話や文章の基礎的なルールなどだ。
最近、新たに伝えるようになったことがある。それは、書くことのハードルを上げすぎないこと。
ほとんどの人は文章を書くことに抵抗感を持っている。意識しているか、無意識かは人によると思うけれど。
文章を執筆するための技法やノウハウを覚えたところで、上手く書こうとしている限りは、なかなか筆が進まない。
まずは、上手く書こうとするのをやめる必要がある。最初から上手く書ける人など(ほとんど)いないし、まずは書かなければ上達しない。
この点については、雑につくることについて伝えるエントリをいくつか紹介しておくので、参考にしてもらいたい。
学生たちを見ていると、きちんと議論して、きちんと設計して、きちんと何かを作ろうとするみたいです。ときには副作用を考慮して、やっぱり作るのやめようかという話になり、再び議論に戻ることもあります。
あとは、とにかく書いてみること。思い浮かばないから書けない、とするのではなく、思い浮かばなくてもとにかく書く経験をしてみることだ。
読書猿さんが出版された書籍『アイデア大全』の中では、「ノンストップライティング」という技法が紹介されている。
「クリエイティヴ・ライティング―自己発見の文章術」の著者であるナタリー・ゴールドバーグが同書籍の中でも触れているという「ノンストップライティング」は、とにかく書き続けるというもの。
人は無意識のうちにブレーキをかけてしまっていて、完璧に考えを整理した上で、上手い文章を書こうとする。こうしたブレーキを壊してしまうために、時間を決めてその間はとにかく書き続ける。
足かせをはずして文章を書き続ける手法は、「書きながら考えるとうまくいく!―プライベート・ライティングの奇跡」という書籍でも登場する。こちらの書籍では、文章にしていきながら考える手法が紹介されている。
書くことに苦手意識を感じてしまう人は、まず書いてみることをおすすめする。書いてみると、自分の考えが整理され、何を伝えたいのかがわかる。
何が伝えたいのかがはっきりすれば、あとはそれを文章として整えていくだけだ。文章を整えていくためのルールは、様々な書籍で紹介されている。
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