メンタル不調を経験した2019年の学び
2020年まで残りあとわずかになった。2020年にはSFみたいな未来が待っているんだろうなと20年前は思っていたけれど、実際に迎えてみるとそうでもない。あと20年もすると、もっと未来になっているんだろうか。
2019年の終わりは、2010年代の終わりでもある。2010年3月に大学を卒業し、働き始めた自分にとって、社会人になってから10年が経とうとしている。アルバイトとして編集部に入り、フリーランスになったり、会社を作ったり、いろいろあった。2010年代、良い経験をさせてもらった。
2019年は一言で表現するのであれば、「大いなる学び」の年だった。経営している会社としても、一人の人間としても、学びが多かった。人生は大抵うまくいかないのだけれど、それでも相対的にうまくいかないことが多く、改めて根本から考え直す機会に恵まれた。
最も大きかったのは、自身のメンタル問題だろう。
2019年の9月頃にメンタルが不調になった。睡眠は毎日6〜8時間はとっていたし、運動もしていたし、食事もとっていた。適度に瞑想やストレッチもしていた。できるだけのセルフケアはしていたけれど、それでも不調にはなった。妻や友人から病院に行ったほうがいいと言われ、診察を受けた。軽度の鬱だった。
他の起業家や経営者と比較した際にプレッシャーが大きいわけでもなく、こんなことで不調になっていては…という気持ち。「休んだ方がいい」という周囲に対して、「休んだところで会社は本当に回るのか?」という不安。代表という立場の自分がその不調を口にすることによる周囲への影響を想像すると、周囲に打ち明けるのは簡単なことではない。起業家のメンタルヘルスの問題は、理解していても難しいということを身を以て実感した。
2ヶ月ほどでだいぶ持ち直し、今は問題なく生活ができている。長野の山奥に瞑想しにいったり、心療内科に通って服薬をして、徐々に回復していった。僕が一番効いたのは、ストレス要因を特定し、言語化して、対応策を考え、実行していったことが大きい。2ヶ月という時間がかかったのは、頭ではわかっていることを決断したり、動かしたりするエネルギーの回復に要した時間だった。
メンタルが不調になったことは良い経験になっていて、どんな負荷がどれくらいかかると自分が調子を崩すのかがわかった。調子を崩したことで、自分は何を大切にしたいのかをじっくりと考えるきっかけにもなっている。今年の秋以降は自分への問いかけを続けている。
ここ最近の自分が、仕事や生活のバランスをどれだけ欠いてしまっていたのかが客観視できた。もともと、ミニマリズムやエッセンシャル思考への共感はあったものの、改めて自分の人生にとって必要なものを見極め、less is moreに選択していかなければならないと感じられた。
年末年始は、改めて自分の土台を確認した上で、より充実した時間にできるように配分などを考えていこうと思う。運動、食事、読書、執筆、旅行など、自分の感覚を死なせないために、考えるではなく感じるを大切にする行為にもっと時間と意識を向けよう。
2020年は自分の人生が豊かになるように時間を使い、2019年以上の結果を生み出せる一年にしていきたいと思う。それではみなさん、よいお年を。