編集のチームを育てるための試行錯誤
ギルド的な編集のチーム作りに取り組みはじめて、気づけば2年以上が経過した。しばらく試行錯誤してきて、できたことと、それ以上のできていないことがわかってきた。
編集のチームを育てるために大事な観点として、以下の2点をどう伸ばすかが必要になる。一つは、ライターや編集者としてのスキル。もう一つは、ビジネスパーソンとしてのスキルだ。
ライターや編集者としてのスキルに関しては、実践の中で成長できないか挑戦してもらったり、ピアフィードバック的にメンバー同士でブラッシュアップできないかといったことを試してきた。
個人のスキルに寄らなくてすむところに関してはワークフローを整えて、仕組み化することにも取り組んでいるが、まだ個人のスキルによる部分は大きい。
個人の挑戦やメンバー同士での切磋琢磨する仕組みへの挑戦は続けつつも、最近はやはり自分が手本を示し、仕事へのこだわりなどを見せていく必要があるなぁと最近は感じている。
その繰り返しが求めるレベル感の共有や、こだわることの大切さを体感してもらうことにつながるのではないか、そう考えている。手本を示しつつ、少しずつ行動指針となるように言葉にまとめていく。
プリンシパルができたら、チームに浸透するような言葉を選び、繰り返し活用していく。その後は、新しく入ったメンバーに作り上げた価値観を伝えるためのオンボーディングを行う。
実スキルを伸ばすためのやり方や、そもそものマインドセットを浸透させるためのやり方を学んで実践しようとしている。
もう一点が、ビジネスパーソンとしての成長だ。もともと、inquireはフリーランスの集まりにしたいという思いで起業した。今は、フリーランスに限らず、副業で関わる人などもいて、多様な関わり方があっていいという考えになっているが、当初はそうだった。
その影響があってか、いるメンバーはセルフマネジメントができる人という前提で接することが多かった。これには反省する点も多い。人によって慣れもあり、経験の違いもある。であれば、人に応じて、どう仕事をしてもらうかは考えないといけないのは至極当然のことだ。
セールスフォース・ベンチャーズの浅田さんが投稿されていた人材育成のステップは非常に参考になる。最初から期待を上げすぎず、ステップアップできるような仕事の仕方を作っていかないといけない。
そうなったときに当初の自律した個人の集まりという従来のコンセプトは多少変化することにはなるのだろうが、必要に応じて変化させていきたい。
セルフマネジメントができる人たちが集まる、自己組織化した編集チームにしていくためにはまだまだハードルが多いけれど、一つひとつクリアしていきたい。