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「桜井政博のゲーム作るには」に学ぶ

『星のカービィシリーズ』『大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ』のディレクターを務めていたことでも知られるゲームデザイナーの桜井政博さんがゲームづくりのノウハウを語ってきたYouTubeチャンネル「桜井政博のゲーム作るには」が最終回を迎えました。

チャンネルが開始した当時も話題になっていましたが、最終回で運営の裏側が明らかになって、かなりの話題になりました。

約2年半かけて週2本ペースで映像を公開してきて、外部の番組とのコラボも合わせると、その数は260本。この映像のほとんどの収録は、2年半前の時点で終わっていたというのです。

1カ月かけて256話分、約30万文字の原稿を書いた。3本のパイロット版動画をつくって検証したあと、任天堂などの関係者に許可をとり、本格的に収録や編集をスタートしていったそうです。

最終回で語られた制作の裏側の話は、驚くと同時にコンテンツづくりの観点から、このチャンネルから学ぶ点は膨大です。

まず、そもそもの映像の尺が3分ほどで長くても10分ほどで非常に視聴のハードルが低い。短いながらもゲーム映像やイラスト、見出し、ワイプやテロップなどはふんだんに用いられていて、視覚的に飽きることもありません。

桜井さんの忙しさなどの事情から、最初に収録を一気に済ませていますが、ナレッジを共有するようなコンテンツを作成して配信する場合、最初の全体像が描けているにこしたことはありません。

全体の骨子を整理し、それを原稿に落とし込み、その内容に沿ってトークを収録するというやり方は、非常にハードルが高いことではありますが、参考にしたい点です。これがあるからこそ、前述の一つひとつの映像のみやすさも活きてきます。

脳内の知識や思考を構造化することも、それを30万字の原稿にすることも、それを自身で話して収録することも、そのあとの素材の組み合わせや監修なども、一つひとつが大変な作業ではありますが、一つひとつをやりきるということが、偉大な仕事になるのだと感じます(桜井さんはこのチャンネルは収益化していないそうですが…)。

映像の内容、その制作の裏側、そしてこれだけの労力をかけてチャンネルを運営した 「未来のゲームを少しでも良くする投資、いやボランティア活動」という目的。どの観点からも学びと、刺激にあふれるものでした。

これだけ忙しい人が、これだけやりきっているのですから、何かやりたいことがあるんだ、という場合にはとにかくやるしかないという気持ちになりますね。ゲーム業界の人間ではありませんが、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。


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モリジュンヤ
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