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AIの進歩とイライザ効果
本を読んでいたら「イライザ効果」についての言及がありました。イライザ効果(Eliza effect)とは、コンピュータプログラムやチャットボットの受け答えが、実際以上に知的または人間的に感じられてしまう現象を指します。
この言葉は、1960年代にコンピュータ科学者のジョセフ・ワイゼンバウム(Joseph Weizenbaum)が開発した対話プログラム「イライザ(ELIZA)」に由来します。
この対話プログラムは、あらかじめ用意されたキーワードや応答パターンに基づいてユーザーの文章を繰り返す簡易的な仕組みでしたが、多くのユーザーはその受け答えに「深い理解」や「共感」を感じ取ったそうです。
60年ほど前に簡易な対話を行うだけで人間は共感を感じ取ったのであれば、現在のAIに対しては、よりイライザ効果が生じるようになっていそうですよね。
2024年は生成AIが大きく進歩しました。2023年も大きく進歩したと感じましたが、2024年はそれ以上。2025年は目的に向けて複数のタスクをこなすAIエージェントが普及するとも言われています。
AIエージェントの次は、人間のような汎用的な知能を持つAGI(汎用人工知能)、その先は人間の知能をはるかに超えたASI(人工超知能)が到来する可能性があります。ASIが登場すると、シンギュラリティが起こるとされます。
この数年の進化速度を振り返ると、AIエージェントだけでなく、AGIやASIの到来も想定しているよりも早くなる可能性がありますね。そうなると、イライザ効果を感じる場面は、さらに増えることになりそうです。
フィクションの世界ですが、映画『her/世界でひとつの彼女』やゲーム『デトロイト ビカム ヒューマン』のように、人間のようにコミュニケーションできる人工知能が浸透した社会では、イライザ効果という言葉すらなくなりそう。
『her/世界でひとつの彼女』では、人工知能OSと音声でコミュニケーションをするのですが、これが実現するのもそんなに遠い未来ではなさそう。ChatGPTなどと音声で対話するのもだいぶ自然になりましたしね。
『デトロイト ビカム ヒューマン』は、アンドロイドが日常に溶け込んでいる世界なので、AIが身体も持っているのでほぼ人間のような存在。ここまで実現するとなると、また文章や音声でのコミュニケーションとは違いますが、これだけAIが進歩するなかで、改めてこの作品のなかで描かれた人間と人工知能の関係について触れることは有用なように思います。
最近、また本作のゲーム実況する人もよく見かけるので、気になる人は見てみてもいいかもしれあせん。本当に名作です。
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