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よい講座は共につくる

運営するメディアでは、活動の積み重ねによって生まれたつながりや知識などを活かして、「講座」を開発しています。記事や音声などよりも、さらに深く知恵を共有するために、大切なコンテンツです。

講座をよりよいものにするためには、よい講師の方々に登壇いただくことはもちろん、意欲があって主体的な受講生の方々、講師や受講生のみなさんが快適かつ安心して学べるようにするための運営。これらのかけ合わせが欠かせません。

「創造実践学」などを専門とする慶應義塾大学の井庭崇教授は、探究学習をより有意義なものにする役割として、ともに活動に参加して盛り上げ、内側から学習を促す「ジェネレーター」という概念を提唱しています。

講座の運営に携わる人は、このジェネーターであることを意識できるとよいと考えています。「ジェネレーターシップ」を発揮し、受講生とともに学んでいくことで、講座はよりよいものになっていくはず。

ジェネレーターシップとは、出来事・物事が生成することに参加し、(主客・自他の境界を溶かし、あいまいにしながら)そこで起きていることをよく見・聴き・感じ・拾い上げ、その出来事の内側でその生成を担う一部となるということ、そして、世界へのそのような関わり方

市川力・井庭崇『ジェネレーター:学びと活動の生成』

中世において大学とは、利害を同じくする学生や教師の組合団体という意味だったそうです。

このような大学の都市的起源は、「大学」という言葉自体に如実に示されていた。言葉のもともとの含意からするならば、「大学(ユニヴァーシティ)」は、学問の普遍性(ユニヴァーサリティ)や学知の宇宙(ユニヴァース)とは何ら関係のない、利害を同じくする学生(や教師)の「組合団体」といった意味であった。

吉見 俊哉『大学とは何か』

ジェネレーターとして講座を一緒につくりながら、ともにつくる範囲をさらに広げていくようなことを目指していきたいですね。


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