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書籍『編集宣言 エディトリアル・マニフェスト』

編集工学」の方法論や、書籍紹介サイト「千夜千冊」などで知られる編集者の松岡正剛さんが2024年8月に逝去されました。

知の巨人や博覧強記といった言葉で表現されることも多かった松岡さん。編集ということを仕事にしている人間として、少なからず影響を受けています。

そんな松岡さんがオブジェマガジン『遊』の編集長をしていた時代に綴った編集術をまとめた『編集宣言 エディトリアル・マニフェスト』として出版されています。

本書には、松岡さんの編集に関するエッセイが収録されています。本に関することを中心に、当時どのようなことを考えながら編集を行っていたのかに触れることができる内容です。

本や編集について語る際、生物や歴史、宗教、科学など、様々な分野の知識や概念を引用しながらとなっていて、ひとつの事象をどのように捉えるのか、事象と事象をどのように結びつけるのかが示されているようでした。

事象を捉え、言葉にしていくという行為を豊かにしていくためには、広範なジャンルにおける知識が必要なのだと突きつけられる感覚。「千夜千冊」での発信を見ていて感じていましたが、もっと広く深く探究をしなければと感じました。

折に触れて読み返すと、その都度発見がありそうな内容の書籍。気になる方はぜひ手にとってみてください。最後に、本の表紙の裏に書かれていた、ぐっときた言葉を引用しておきます。

編集とは世界と向き合うことである。そこには方法の発見があり、関係の発見がある——。そして何より、日が暮れても、カラスが鳴いても帰りたくなくなるような、とびっきりの「遊び」がある。


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モリジュンヤ
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