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起業家を取材するという仕事
inquireはいろんなメディアの運営に携わりますが、コミュニティをベースにしたメディアが多く、フィールドワークをしているような気持ちでコミュニティに溶け込みながら、その中での情報の媒介役を担っています。
媒介役となるために、そのコミュニティについて理解を深めて、同じ言語でコミュニケーションできるように土地勘を形成し、継続して取材をしていって変化を可視化し、共通する文脈を言語化したり、場の編集を通じてつながりを生み出したりと、いろんなことをやってきました。
これは会社化する前のフリーランス時代から変わらない動き方です。「スタートアップ」というコミュニティも、そうやって関わってきたフィールドのひとつ。2012年、当時は「Startup Dating」という名前だったメディアに携わり始めたのがきっかけでした。最初に書いたエントリがこちら。懐かしいし、文章が若い。。
いまでは「BRIDGE」となって、最近10周年を迎えたそうです。10年続けるというのがすごい。最初に関わったメディアの「greenz.jp」も、14年続いていて長く続くメディアに関われたことは自分にとっての財産でもあります。
BRIDGEはじまって今日で10年目だそうです(言われて気がついた)。いつもご愛読いただいてありがとうございます。本業のイベントも再開しますので、みなさまとまたお会いできるの楽しみにしております
— kigoyama@BRIDGE・PR TIMES Media (@kigoyama) June 22, 2020
6/22、代官山で「スタートアップ・デイティング」準備回開催 https://t.co/I1Pusy4TRa
BRIDGEでは、2012年から4年半ほど編集者、ブロガーとして仕事をさせてもらいました。メディア事業としての立ち上がりや紆余曲折を間近で体験させてもらえたことも貴重な体験でしたが、毎日のように起業家の取材をできたのも良い体験でした。
起業家の方々は、取材の回を重ねるごとに「進化」している印象を受けます。ほとんどの人はビジョンは変わらなかったりするのですが、語る言葉にさらに力がこもったり、実現するための戦略がより精緻になっていたり、アップデートが早いんですよね。
ずっと順調だったという人は会ったことがなく、大抵はハードシングスを経験しているのですが、それを乗り越えてまた進化していたりする。BRIDGEは「定点観測」を大事にしていたので、折に触れて起業家の進化を間近で感じられるのは得難い機会でした。
BRIDGEから離れ、自分もとても小さいながら会社組織の経営をするようになって、最近は取材の頻度が減っているのですが(これはこれで課題だと思っているのでもっと取材したり書いたりしなくては)、その頃に出会った起業家も、次々と成長して次のステージへと向かっていて、今でも刺激を受けています。
上場したばかりのGoodpatchさんも、BRIDGEの頃からその紆余曲折を拝見していて、上場も自分のことのように嬉しかった。
今回はコロナの影響で残念ながら東証のセレモニーはないのですが、せっかくなのでFABRIC TOKYO @fabric_tokyo で初めてオーダースーツを新調しました。仕事でスーツ着るのは起業してから2回目くらいですが、オーダースーツかなり良いです!FABRIC TOKYOオススメです! pic.twitter.com/neZpNHAV0m
— 土屋尚史 / Goodpatch (@tsuchinao83) June 30, 2020
(FABRIC TOKYOさんも創業期から取材などさせていただいていたので、より感慨深さを感じる)
DeNAの南場さんの『不格好経営』を読んだとき、「この過程を垣間見れていたら、きっと刺激になったんだろうな」と感じたんですよね、もちろん、同じチームで仕事をするのがもっともそれを感じられるのだと思いますが、メディアの人間として同じ時代に継続して取材ができていたら、きっと自分の中にも残るものがあったんじゃないか、と。
メディアとして継続して取材していくと、少しでも同じ時代を生きていると感じられると僕は考えています。自分が勝手に共感を強めていたり、思い込みに過ぎないかもしれないですが、少なくとも刺激を受けている。それによって自分の成長曲線が上がったり、自分もアップデートしていかなければと思うことができている。
起業家を取材する仕事というのは、学びが非常に多い。その分、取材する側が学ばなければならないことも多いですが。昔、ベンチャーユナイテッドの丸山さんとランチをしたときに「ライターもVCのように知の総合格闘技ですからね」ってお話していただいたことを繰り返し思い出しています。
スタートアップのスピード感で動き、ビジョンの実現や社会課題の解決に挑む起業家の熱量を感じて、知の総合格闘技で負けないように日々インプットを欠かさない。これはめちゃくちゃやりがいがある仕事だとずっと考えています。
課題があるとしたら、なかなかメディアの立場からスタートアップに関わる仲間が増えないこと。起業家やVC、スタートアップにジョインする選択肢を選ぶ人はかなり増えた印象があります。ただ、メディアという立場から関わる人が増えたかと言われると、他の関わり方と比べると少し弱い。
最近では、スタートアップ自身が発信するケースもありますし、以前と比較して大手のメディアでもスタートアップが取り上げられることも増えてきました。その中で、改めてスタートアップというコミュニティにおける質の高い情報の媒介を担うという挑戦をする人が増えてくれるといいなと思っています。めちゃくちゃやりがいがあるし、成長できるので。
関わる媒体は、BRIDGEやTechCrunchのほか、メディアはいろいろありますし、最近はVCもバリューアップを兼ねて発信を強化しているので、そういう関わり方もありかもしれません。いずれにせよ、スタートアップをメディアの立場から支援していく存在が増えるといいなと思います。
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告知①
デザインファームDONGURI代表のミナベさんと一緒に、「スタートアップゼミ」をはじめることになりました。MCします。
7月から毎月第4月曜21時〜「スタートアップゼミ」を始めます!MCは僕とモリジュンヤ先生💪
— ミナベトモミ / DONGURI / Mimicry Design (@tomomiminabe) July 2, 2020
スタートアップ方法論の紹介や、2人の実務知見交えたスケール論を解説する予定。楽しく学べる場にできたら嬉しいです。
WDAメンバーは無料参加可能ですよ! #WDAゼミ https://t.co/QlPwPPRB40 pic.twitter.com/6BXvCBwmKH
告知②
inquireが編集パートナーとして伴走しているFastGrowが、新たな機能をリリースしました。
告知③
inquireでもスタートアップを取材する仕事も多々あるのでチャレンジしたいという方はぜひ!
サポートいただけたらその分、執筆活動等に充当させていただきます!