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メルカリマガジンに見る、アプリがメディアを運営することの価値

メルカリが新たに個人の好きなものを応援するライフスタイルWebマガジン「メルカリマガジン」を公開しました。

この動きに対して、メディアの可能性に関して考えることがあったので、メモ書き程度にまとめておこうと思います。「こんな可能性もあるかも」程度の話なので参考までに。

メルカリはオウンドメディアをいろいろ運営しているので、メディアをやること自体に驚きはないのですが、このメディアはちょっと興味深いです。

このメディアのリリースを見て思い出したのが、Sansanが運営するメディア「BNL」でした。個人向け名刺アプリ「Eight」のメディアとしてスタートしていた「BNL」は、サービスのコンセプトである「Your Business Network」を伝えるための場として運営されていました。

コンセプトは通常短い文章で表現されることが多く、そのコンセプトやビジョンをより多くの人に自分ごと化してもらいやすい、関心をもってもらいやすい形で届ける手段としてメディアは機能しやすいと考えています。「BNL」は、Eightの名刺アプリという機能レイヤーの側面ではなく、ビジネスネットワークに関して具体と抽象を行き来しながら伝えるメディアとなりました。

メルカリの「メルカリマガジン」も、フリマアプリというレイヤーではなく、プロダクトして目指していくビジョンやコンセプトを多角的に伝える手段として機能するのではないか、と期待できます。

また、もう一点興味深いのが、デリバリーに関する可能性です。「BNL」のコンテンツは、Eightのユーザーに向けて配信されます。ユーザーがアプリを開くごとにコンテンツが表示されるようになれば、もしかしたらユーザーはコンテンツを楽しみにアプリを開いてくれるようになるかもしれません。

「BNL」編集長の丸山さんはインタビュー記事で下記のように語っています。

Eightを立ち上げると毎回何か新しい記事があるという状態にしていきたいと思っていて、読み応えのあるインタビュー記事も今までのように続けていきながら、仕事中のすきま時間にも読めるような記事も制作しています。

現在、メディアにとって大きな課題は作成したコンテンツをどうデリバリーするか。検索もSNSも、プラットフォーム側のアルゴリズム変更にさらされ、アテンションの奪い合いになってしまっています。

その点、Eightのユーザー数は100万人を超え、メルカリの月間利用者数は約1,300万人です。すでに存在しており、サービスにアクセスしているユーザー向けにコンテンツを届ければ、メディアとしての課題をクリアしながら、サービスのユーザーに付加価値を提供できるのではないか、そんなことを思います。

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