経営や事業に伴走する「戦略編集」の提案。メディア化する企業が変化の激しい時代に適応するために
inquireは2019年10月で5期目を迎えました。これまで、正社員やフリーランスのパートナーと一緒に、様々なプロジェクトを展開してきて、最近は何をする会社なのかを整理しています。
お仕事のご相談をいただくこともあるのですが、「結局何をしている会社なのかわからない」というお声もあるので、inquireって何してる会社なの?ってことを紹介するのがこのnoteの趣旨です。
inquireってどんな会社?
inquireは、未来をみているビジョナリーカンパニーや社会の負を解決しようしているイノベーター、カルチャープレナー(文化的起業家)や社会起業家といった人々の成長や変容を支援する会社です。
目指しているのは「しなやかで、体温ある社会をつくる」こと、「地球規模でのウェルビーイングを実現する経済生態系をつくる」こと。文化的に多様で、持続可能性があり、経済や社会にも思いやりがあるような、そんな社会。上記のような企業を支援することで、こうした社会を実現していきたいと考えています。
そのために掲げているミッションが「社会変容の触媒となること」。イノベーションにおいて、触媒(カタリスト)の重要性が語られます。僕たちは、自分たちがカタリストとしての役割を担うべく、編集やメディアといったスキルセットを活かして、領域を横断しながらパートナーとなる企業に伴走してアイデアやビジョンを共創していきます。
昨年、「編集の価値を広げるリーディングカンパニーを目指す」というnoteを書きました。僕たちが編集のリーディングカンパニーを目指す理由は、こうしたビジョンやミッションを達成するために必要だからです。
最近のinquireの仕事一覧
では、そんなinquireはどんな仕事をしているのか。いくつかピックアップして紹介していきます。
FastGrow
inquireは、モメンタムホースとともに2018年から『FastGrow』に伴走しています。「イノベーターの成長を支援し、未来社会を共創する」をミッションに掲げている、「CxOを目指す人のためのビジネスコミュニティ」です。
FastGrowでは、月に20〜30本ほどの記事の制作、編集者4〜5人、ライター十数人規模の編集部のマネジメント、ブランデッドコンテンツの制作、商品開発の支援、セールス・企画・制作が連携する際のオペレーション構築支援等を行っています。
FastGrowが掲げているミッションに対して、どう上流から整理していけば、ミッションの実現につながるメディアやコンテンツを作ることができるのかをお手伝いしています。
もちろん、コンテンツを作る企画や編集に関してもチャレンジをしており、事業責任者兼編集長のジョニーさんと1月末にこんなイベントもやります。
XD / CX Clipなど
昨年、Googleから資金調達を実施したことで話題になったCXプラットフォーム「KARTE」を開発するプレイドさんでは、複数のプロジェクトに伴走しています。
CX特化型メディア「XD」と、KARTEのリードナーチャリングを目的にしたメディア「CX Clip」。双方ともにBtoBのマーケティングを目的としたメディアではありますが、CXという認知自体を広げる目的のXDと、KARTEのリードナーチャリングにつなげていくためのCX Clip。
それぞれの目的に合わせて、2つのオウンドメディアの編集体制の構築、メディア運営、コンテンツ制作等をお手伝いしています。昨年は、両メディアで取材してきた記事がまとめて『XD MAGAZINE』として発刊されました(紙の編集は東京ピストルさん、昨日からBAKERUですね)
プレイドの採用プロジェクト
プレイドさんとは、上記の2つのメディア以外にも採用ブランディングを目的とした情報発信の伴走もしています。事業や組織に関する理解をしつつ、外部という特殊な立場。
採用や広報の担当の方と一緒に採用や広報の課題について議論しつつ、コンテンツで可能なことをメインでお手伝いしています。
昨年作成したコンテンツは、大きな動きがあるタイミングで狙いや背景を伝える記事、半年〜1年をかけて実施してきた活動の試行錯誤の軌跡の記録など。考えを整理したり、情報を整理したりするのをお手伝いしつつ、コンテンツのアウトプットをサポートしています。
このプロジェクトにおいては、アジャイル型のコンテンツ開発にトライしています。社会も、組織も変化が激しい中でコンテンツを作っていくためには、従来のアプローチではフィットしないこともあります。
ペインはわかっているけれど、アウトプットイメージが明確なわけではないケースもしばしば。こうした環境でアウトプットしていくためには、いかにフリークエンシーを上げられるかが重要です。
こうしたアプローチのためにはソニックガーデンさんの「納品のない受託開発」のように、「納品」という位置づけを捉え直していくような動きも必要だと考えています。このあたりの試行錯誤についてはまた別途。
コーポレートブランディング
inquireではベンチャーのコーポレートブランディングのお手伝いもさせていただいています。ここ1年で伴走しているのは下記のようなベンチャー。
・事業成長を支援するサービスデザイン会社rootさん(継続)
・ご近所SNS「マチマチ」を開発するマチマチさん(継続)
・音楽アプリ「nana」を開発するnana musicさん(2019年で一区切り)
事業や組織についてインプットしながら、どうコンテンツに落とし込むかを考えるのがメインですが、ストーリーテリングを考えた際の事業や組織の取り組みについての提案等をすることもあります。
その他
1年以上続くプロジェクトに伴走することがほとんどですが、コーポレートサイトのリニューアルや、CIのリニューアルといった節目に声をかけていただいて、プロジェクトに伴走することもあります。
最近では、𝖢𝖨 / 𝖡𝖨など𝗜𝗗𝗘𝗡𝗧𝗜𝗧𝗬 𝗗𝗘𝗦𝗜𝗚𝗡を手掛けるタカヤ・オオタさんの事務所「kern」のコーポレートサイトのリリースに編集支援で携わりました。
セッションを重ねつつ、Whyなどをヒアリングし、情報や言葉を整理して、About文にまとめたり、事例の紹介コンテンツの統一感が出しやすいようにフォーマットを整理するなどをお手伝いしています。
ツクルバのCIリニューアルのプロジェクトにも伴走しつつ、プロジェクトのストーリーをどう発信するかをお手伝いしています。こちらのアウトプットはもうしばらく先。
2018年10月にデラシネさんと一緒に「ことばのコンサルティング」という事業をスタートしました。CIやUXにライティングの面から携わっていくことを目的にした事業でしたが、最近では点ではなく線で関わる中で「ことば」を整理するお手伝いをするケースが増えてきています。
ビジョンやミッション等の言語化、継続しての発信、ナラティブの支援などは、企業文化を耕すことにつながっていくなぁと考えていて、せっかくならそこも視野に入れていきたいなと最近は考えています。
戦略から伴走するinquireの仕事
冒頭に書いたとおり、inquireは社会をよりよい方向に向かわせようとアプローチしていくプレイヤーを支援しています。
Whyの整理と、ここ最近の事例がまとまってきたことで、事業のモデルが整理されてきました。inquireとして最近整理したのは、以下のポイントです。
戦略から制作までつなげる「戦略編集と編集代理」
inquireによる支援をすべて「編集」と語っていたところを、大きく戦略編集と編集代理の2つに分けました。戦略編集は、事業や組織の戦略を深く理解し、経営者や責任者のパートナーとして、事業計画を達成するために必要な打ち手を立案・実行する仕事。「戦略人事」などのように、従来の業務との違いをイメージしてもらいやすい表現として名付けています。
「編集」について抽象度の高い話が流通することが多い中で、自分たちになりに整理してみました。編集代理は従来の編集業務に近い仕事です。コンテンツの作成やメディアの運営などを編集代理として位置づけています。
戦略編集として事業や組織に入り込んで関わることで、社会の素早い変化に対応しながら「何を発信するべきか?」「何をつくるべきか?」を考え、実際の制作まで一気通貫で関わることが可能にしていきたいと考えています。
これがオウンドメディアのあり方や企業のメディア化を考えた上でのinquireなりの現状の解です。昨年、「オウンドメディアは終わるのか?」といった話題が局所的に盛り上がりました。inquireとしてもイベントを開催し、メディア化する企業において編集がどんな役割を担えるのか?を考え、レポートなども掲載しています。
育成や顧問なども視野に入れた伴走型での支援
戦略編集を視野に入れると、必然的にスポットでの関わりよりも、伴走しながらの支援が中心になってきます。
inquireがプロジェクトに関わる際、短くても1年は関わります。継続して関わっているため、文脈や背景等の理解もあり、事業や組織のフェーズの変化等に合わせながらその時々に必要な支援を行っています。
すでに何件かで実施していますが、より柔軟に素早く対応できるようにしていくためにサブスク型の料金プランを用意するなど、より本質的な支援が可能になる構造を作っていきます。
伴走型での支援は、編集顧問的に制作チーフを代理するといった関わり方もありますし、2年ほど前から試行錯誤してきている編集部機能の内製化支援等にもつながってきます。
当然の話ですが、企業の編集業務は外注すべきところは外注し、内製化すべきところは内製化すべきです。外部から関わるinquireとしては、事業や組織にとって最適なアクションを提案可能な構造で支援していきたいと考えています。
また、伴走で支援するからこそ、会社のビジョンやミッションに対する理解度の深まりやすいためCIのリニューアルの際の言葉の整理や、組織へのビジョン浸透なども視野に入れたコミュニケーションプランニングなども可能になるのではないかと考えています。2018年にリリースし、2019年に試行錯誤した「ことばのコンサルティング」とうまく接続できるのではないかと。
会社のアイデンティを言語化し、継続したコミュニケーションと行動に落とし込むことによる文化にしていく必要性も注目されてきています。伴走かつ、戦略に近いレイヤーから関わることで、こうした支援も可能にしていきたいと考えています。
inquireに「編集」の相談をしたい企業を募集してます
長くなりましたが、ここまで読んでくださってありがとうございました。inquireは、編集という職能を拡張して、社会・未来をよりよいものにしていきたいと考えています。
ビジョンを持って事業を営んでいて、自社のストーリーを伝えていきたい、ソートリーダーシップを発揮していきたい、コンテンツで事業や組織を成長させていきたいと考えている方は、ぜひご相談ください!
「今すぐに相談できるわけじゃないけれど...」というご相談も歓迎です。TwitterのDMやFacebookのMessengerからでも構いませんので、ご連絡いただけたらと思います。
加えて、一緒にプロジェクトに参加する編集者やライター、マーケターやディレクターなど様々なパートナーを探しています。inquireに相談したいかも、inquireと一緒に働きたいかも、と思った方は、ぜひ一度お話できたら嬉しいです!