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inquireの2020年の実践と思考の振り返り

2020年も残りあとわずかとなった。毎年、大晦日も残りあとわずかとなったタイミングで一年の振り返りをするのが恒例になりつつある。

昨年は心身のコンディションを崩し、その学びについて書いた。このときに崩した調子を取り戻すのに、結局1年ほどかかったと思う。

良い状態で2020年のスタートを切れたとは言い難い。けれど、だからこそしっかりといろんなことを見直せたのだと思う。

今年、なにを考えたのか、備忘録も兼ねてブログに書いておきたい。

会社の存在理由を見つめ直す

2019年の終わりから2020年のはじめは「なぜ、なんのために会社を経営しているのか?」という問いに向き合った。フリーランスから法人になったinquireは、しっかりと言語化していなかったからだ。

変化と不変。
BeingとDoing。
自分たちと社会。

いくつかの視点からやってきたこと、やっていきたいことを整理して、どんな言葉を、どう組み合わせたらコアな価値観を共有できるのかを考えた。ああでもないこうでもないと言い直したり、組み替えたりしながら、2月ごろにある程度まとまってきた。

また、改めて整理できたらと思っているけれど、自分たちの内的なアイデンティティである「問いの探求」と、外的なアイデンティティである「変容の触媒」。そして、目指すあり方として「5つのBe」。

それぞれ、抽象度が高い言葉でまとめているけれど、人によって解釈の余地を残しつつ、時間が経過しても違和感が生じにくそうな言葉になるようにしてみている。

言葉がまとまったタイミングと、新型コロナウイルスによってワークスタイルを変えたタイミングが重なった。偶然ではあったけれど、組織や事業の具体を考えるときの土台となるものがある程度固められていたのは幸い。

組織やワークスタイルの変化

3月からはコロナの影響もあり、inquireはフルリモートのワークスタイルに転換。もともと、ミーティングのときにオフィスに集まるくらいのスタイルだったし、メンバーのひとりはすでにオランダに移住していたので、良い決断のタイミングになった。むしろ、運営の仕方は考えやすくなった。

合わせて、デイリーで「チームチェックイン」の実施を始めたり、「テレスクラム」の導入にトライしてみたり、1on1の頻度や内容の調整をするなど、自分たちのカルチャーを大事にしつつ実践できるフルリモートに合わせたチームマネジメントの仕組みを取り入れていった。

例えば、1on1で話す内容は、わたしのウェルビーイングの作り方、ダイアローグのやり方、自分の探究テーマの広げ方、深め方、カームな働き方をするためのスキル、ネガティブ・ケイパビリティ、短期と長期の両視点でのライフデザインなど。

これらの内容は、生きる知恵の共有だと考えている。、「そこまでは会社がやることではないのでは?」という見方もできるかもしれない。

ただ、このブログでも書いたように、「人として向き合う」ことを考えると、これらの内容を仕事の一環として学んでいくのが、あるべき姿なんじゃないかと思う。

改めて、inquireがどのような会社を目指すかを、すでに生まれている概念に合わせて整理してみると、「ゼブラ企業」や「カームカンパニー」などが親しい。カームカンパニーについてブログに書いたのはもう2年近く前だけれど、ようやく腹落ちしてきている感じがある。

事業やプロジェクトの変化

20年や30年と時間軸を長く捉えると、事業などは移り変わっていくことを前提に考えないといけない。

日々、実践している内容がどのような意味を持つのか、積み重ねていくと何につながっていくのか。そもそもを考えながら、目の前の実践が目的化しないように構造の整理が必要になった。

inquireには、クライアントワークと自社事業がある。前者をStudio、後者をLabという名称にして、Studioは臨床的、Labは研究的な位置づけとした。実践や実験を行き来しながら学習サイクルを高速で回していく状態を事業運営に組み込む狙いがある。

5期、inquireは一旦事業の成長や組織の仕組みづくりにフォーカスするためにLabの活動は最小限にしていた。結果、それらの取り組みはうまく進まなかった部分もあり、改めてStudioとLabをどう成長させていくのかに取り組むのが6期であり、2021年にしていく。

Lab

Labは、「sentence」と「UNLEASH」があり、2021年には1つのプロジェクトが加わる。sentenceについては、こちらの振り返り記事を見ていただくのが良いかと。チームが自走してサービス提供やコミュニティ運営を行っていて、2020年には事業のミッションやビジョンをチームで言語化していた。

sentenceは2021年以降より重要な役割を担っていくと思う。文章を書く力を身につけるというのは、リモートワークにおける必須スキル。書く力は読む力でもあり、メディア・リテラシーのトレーニングにもなれば、ジャーナリングのような書く活動であればメンタルフィットネスのトレーニングにもなる。

情報が溢れ、テクストでコミュニケーションが増大していく時代において、人が生きていく上で必要な知恵を共有していくコミュニティサービスに育てていかなければならない。

UNLEASHは、2020年は編集部も一度解体し、僕が個人で可能な範囲で更新する最小限の運営になった。会社自体の見直しや言語化が進んでいくなかで、UNLEASHが果たすべき使命の整理も進んだ。

ゼブラ企業やB-corp、アクティビスト企業、社会的連帯経済や協同組合、プラットフォーム・コーポラティズム、サステナブル・イノベーションなど、キーワードも見えてきた。

倫理観を強く持ちながら、持続的にメディアを運営するためのビジネスモデルの開発と合わせて、UNLEASHが再始動できるように2021年は取り組んでいきたい。

Studio

Studioでは、直近提供可能な価値の整理や、中長期で積み上げていく価値の整理などに七転八倒した1年だった。2020年頭には、戦略編集と編集代理という整理を行った。

この整理が間違っていたわけではないが、社会実装していくためには、より適した整理ができそうだと感じている。限られたリソースで社会に価値提供していくために、どこから攻めるべきか?という点からも見直しが必要な点。

現状、Studioはオウンドメディアやコンテンツマーケティングと呼ばれる領域の仕事がメイン。企業のメディア化が不可逆であることと、企業が社会問題や環境問題に対して向き合わなければならなくなっていることを踏まえると、企業の情報を発信したり、事業貢献につなげる活動の見方も変わってくる。

例えば、社内外で認識や体験にずれがないように統合していくためのアプローチもあるだろうし、社内情報の資産化やナレッジ・マネジメントの支援もありえる。

「社会運動の日常化」のために

これはStudioに限った話ではないが、inquireでは2020年に「プロジェクトエディター」という職種をつくった。現在の社会において、「プロジェクト」がアプローチする対象として重要になっているからだ。

プロジェクトには、情報編集やファシリテーションが必要不可欠で、プロジェクトを通じて人は学習し、ナレッジが生まれる。編集対象として非常に興味深い。この「プロジェクト」をどう捉えるかもまた、しっかりと言語化したい。

最近は、スチュアート・ブランドが著書『How Buildings Learn』で提唱した「ペースレイヤリング(Pace Layering)」の概念で、inquireにおける組織やメディアの考えを整理できるんじゃないかと思っている。

会社というのは小さな社会でもある。僕は、inquireという会社を社会にみたて、理想とする社会を実現できないか?を実験したいんだというのが2020年に発見したことだ。

「このやり方でもちゃんと成立するんだ」というのが立証できれば、存在自体がメディアになりうる。2021年も、小さな社会づくりに取り組み、スケールアウトしていくための試行錯誤を重ねていく。

全体の概念整理がまだやりきれていないが、inquireにおける様々な構想や実践は「社会運動の日常化」という言葉で貫いて説明できそうだと2020年の最後、大晦日に思い至った。

今年は試行錯誤と実践ばかりで、言語化して共有するのが疎かになってしまったのは反省だった。今年は、実践の精度を上げながら、言語化して社会にシェアしていけるようにしたい。

それではみなさん、よいお年を。

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inquire代表。