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職場の人間関係が家庭にも影響するという調査結果

「職場の人間関係が従業員の成長に影響を与える」という調査結果をマサチューセッツ大学アマースト校のモリーン・ペリー=ジェンキンス教授が発表していました。職場での体験は、従業員本人だけでなく、その人を取り巻く周囲の人たち、とりわけその子どもに大きな影響を与えるとのこと。

MIT組織学習センター共同創始者のダニエル・キム氏によって、提唱されたモデル「成功の循環(Theory of Success)」でも、組織における関係性の重要度は語られてきました。

重要なのは、この関係性の影響が組織内に留まるものではないということ。生活と仕事の境目ははっきりと分けられるものではないですし、人間のモードもそこまではっきりと分けられるものではありません。だからこそ、ティール組織でいう全体性(ホールネス)のような概念が必要になってきていると考えます。職場で仕事や人間関係がうまくいかなければ、同じ人間が過ごす家庭においても影響するのは当然です(逆も然りではありますが)。

ウェルビーイングやサステナビリティなどをテーマに社会や生活を変えていこうとした際に、そのまま生活だけを対象とするのではなく、仕事や職場のありようを変えていくことで、従業員や家庭への影響を変化させ、結果としてコミュニティを変容させていく、そんなアプローチも必要なのではないか、と。

インクワイアでは、「変容の触媒」という理念を掲げているのですが、これには働いているメンバー一人ひとりが関わる人に対して何かしらの影響を与えうる存在という意味合いも込めています。職場や組織が変わることは、そこで働く人々が、家庭やコミュニティにおいて、なんらかの影響をもたらす存在へと変容する可能性を秘めているはずです。モリーン・ペリー=ジェンキンス教授の記事はこのように締めくくっています。

企業が真に健全で持続可能な職場をつくるためには、投資利益率(ROI)の定義を、経営者や従業員だけでなく、従業員の子ども、家族、近隣、そしてコミュニティ全体へのリターンを含むように拡大すべきである。企業が現在の従業員をどのように扱うかによって、次の世代がどのように育つかが決まる。未来への投資は、私たち全員にかかっている。それはつまり、働く親、そしてその子どもたちの健やかなる幸せを大切にする職場をつくるということである。

こうした方向性はB Corpやベネフィット・コーポレーションのような利益を還元する対象を広げようとする新たな法人の認証や形態とも重なってくるところ。もちろん、実現は容易ではありませんが、生活も仕事も含めて、全体が豊かになる未来に向かうためには、とても重要なことですよね。


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モリジュンヤ
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