非営利メディアだからできる挑戦を。「人の可能性」をひらく智慧を社会に循環させるために
メディアとしてのsoarが2015年12月22日のオープンから7周年を迎えました。毎年12月は寄付月間ということもあり、寄付キャンペーンを実施しています。
これまでの取り組みを振り返って
soarを立ち上げたのは、社会で「分断」という言葉が使われ始めたころ。様々なものが大きな主語で括られ、一人ひとりの人間というよりは「属性」で語られていました。
もっと、一人ひとりの人間に向き合うことはできないのだろうか。と考えたことを覚えています。一方、メディアに関わる人間として、メディアに対する課題意識も抱いていました。
メディアはアテンションをいかに獲得するかの競争に入り、センセーショナルな見せ方や、噛み砕きやすい内容を短い文章での発信するようになり、掲載メディアが変わっても取り上げる人が同じ顔ぶれ、といった状況。
価値あるものは長文でも読まれるはず。
取り上げられていないだけで価値ある語りはあるはず。
書き手や聞き手によって引き出される話も変わるはず。
そんなことを考えて、非営利メディアとしてsoarを立ち上げました。
立ち上がりから7年も経つと、社会も自分たちも変化します。ティール組織の「進化する目的」ではありませんが、変化に伴ってアプローチの仕方も更新が必要です。
メディアはプロトタイピングし続けるものだと考えているので、soarのメディア自体も新しいアプローチを目指していこうとしています。
智慧の循環をつくるために
soarがやってきたことのひとつは、語りをアーカイブすることだったのだと捉えています。生きた人間が本役となり、一般の読者に貸し出す「ヒューマンライブラリ」という対話の手法がありますが、それをオンラインで行うような人々の語りが集まった図書館のような場所をつくろうと取り組んできたのだと。
こうした取り組みは、語りという形で人の可能性に光を当てるための「智慧」をアーカイブし、「知る」ためのきっかけをつくってきたのだと整理しました。「人の可能性に光を当てる」ためには、「知る」だけでなく、その先も含めて取り組むことで、循環をつくることが重要だ、と考えています。
改めて、ミッションをどのように実現するかについて内部で対話してまとめたのが以下の図です。
記事以外に、表現手段も映像や音声など含めて多様にしていく余地もありますが、そうして発信した智慧を深めるための対話の場の生成や、深めた智慧を実践するためのサポートも行っていくことを目指しています。
のようにそれぞれの役割を分け、学びにつながるアプローチをとっていきたい、そう考えています。
人の可能性に光を当てられる「市民リーダー」を増やす
自分の可能性、他者の可能性を引き出すための智慧は重要度が増している一方で、学ぶための機会は非常に限定されています。
民間サービスを通じて提供されるものもありますが、必要とする人がすべてサービスの対価を支払えるわけではないので、NPOの事業として運営しつつも、民間サービスよりは必要なコストは下げた形で提供できないかと模索をしていきたいと思います。
人の可能性に光を当てられる「市民リーダー」のような存在を社会に増やしていく、そんな活動となるようにsoarも新たなチャレンジを目指していきます。
キャンペーン終了まであと2日。これまでを振り返り、これからのことを想像しながらそんなコメントを寄せました。
寄付キャンペーン以外にも、マンスリーサポーターも募集しています。活動や目指す社会のあり方に共感いただけた方は、ぜひご支援いただければ幸いです。