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「ナラティブ・インクワイアリー」にみる組織文化との向き合うヒント

編集が価値を発揮できそうな領域として、ナレッジ・マネジメントに注目しているのですが、そのなかでも最近気になっているのが「ナラティブ・インクワイアリー」という分野です。

ナラティブ・インクワイアリー(Narrative Inquiry)とは、広義のナレッジマネジメントの分野で現れた学問分野のことである。(調査事実ではない)聞いた話を多数集めることを通して、(市場・労働者・市民などの)行動を理解する、というアプローチであり、ストーリーテリングとは異なる。社会科学の定性的研究において最近になって出てきた概念であり、認知言語学・組織論・知識理論・教育研究などの分析ツールとして用いられる。

Wikipedia「ナラティブ・インクワイアリー」より

編集者という存在は、領域を越境して、様々なものを見て回ります。その過程で、聞いた話を集めていき、それぞれの集団の文化を理解したり、洞察を深めたりします。

以前、「編集思考」のモデルをパターン・ランゲージとしてまとめようとした際に、「動く」「視る」といった動詞が編集行為として含まれていたのは、編集のこうした側面を重要な部分としておきたかったからでもあります。

あり方を土台に、3つの動詞があるモデル

ここ数年、企業の発信支援をするにあたり、その過程で社内の様々な人に話を聞いてまとめてきました。目的はアウトプットをつくることでしたが、社内聞き取りのプロセスを経たことで副次的な効果として、対象となる組織についての理解を深められたと感じています。

しっかりとした調査ではありませんが、ある程度対象となる会社に対する理解を深められたという点では、ナラティブ・インクワイアリーのようなものだったのではないかと。もちろん厳密には、ナラティブ・インクワイアリーとは言えませんが、インスピレーションとなる既存概念があればインプットも捗ります。

来年は、「ナラティブ・インクワイアリー」についてのリサーチをしてみたいと思います。


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