「問い」と「プロセス」をコンテンツ化する
インタビューメディア『カンバセーションズ』のリニューアルイベントにお邪魔してきた。会場には、久しぶりにお会いする人から、よく会う人まで様々な人が集まっていた。
立ち上がった当時から、僕は『カンバセーションズ』のコンセプトが好きだった。普段、インタビューをされている人たちが、インタビューする側に回る。話を聞いてみたい人に話を聞くメディア。
対談ともまた異なる組み合わせの面白さ、この人は何を聞きたいのだろうと想像する楽しさが、『カンバセーションズ』にはあった。
そんな『カンバセーションズ』がリニューアルしたのは、つい最近のこと。新しい『カンバセーションズ』のコンセプトは、“「問い」をカタチにするインタビューメディア”。
新しくなったカンバセーションズのインタビュアーとなるのは、新規プロジェクトや作品制作のアイデアを持つクリエイターや起業家、企業や自治体の新規事業担当者たち。彼らの着想をカタチにする過程で必要となるリサーチの場をインタビューを通じて提供し、その過程をインタビュー記事として発信していくとともに、アイデアのブラッシュアップや資金調達、PR面のサポートなど、プロジェクト実現までインタビュアーに伴走していく新しいメディアのあり方を模索していきます。
常々、僕はインタビューの価値を分解したり、転用したりして、記事化以外に活用できないかと考えてきた。
そもそも、インタビュー自体は記事を書くという行為に限定されるものではなく、カウンセリングやコーチング、リサーチなどでも用いられるものだ。
もっと、柔軟にインタビューという行為の価値を捉えることができるはず。そう考えていた僕にとって、「問い」をカタチにするインタビューメディアという『カンバセーションズ』の新しいコンセプトはとても共感する。
プロセスを伝えていくアプローチも素晴らしい。オランダの新興メディア「De Correspondent」は、取材を重ねているプロセスをも記事化して、読者から意見をもらう。もらった意見を取材に活かしていく。
これまで、完成したものを発信するのがメディアのアプローチだった。途中のものを共有するというカルチャーは、存在していなかった。だが、今は形が見えるまで、解とも言えるものが生まれるまでにこそ、面白さが存在している。
答えがわかっていることは、面白みに欠ける。今、面白いのは「問い」であり、探求する「プロセス」だ。そこをコンテンツ化していこうという『カンバセーションズ』の取り組みは、今後も応援していきたい。