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「スタートアップと資本主義」--KOU Story vol.2

『KOU』プロダクトオーナーの中村 真広さんに話を伺いつつ、サービスのストーリーを伝えていく、KOU Story。

前回は、クラウドファンディングを使って場を共創した体験や、コワーキングスペースの運営を通じて同じ方向を向いて場を作り上げていく体験から育まれたコミュニティ意識の高まりについて紹介しました。

今回は、中村さんが会社の成長の中で抱き始めた「違和感」にフォーカスして話を伺っていきます。

目次
・資本主義を乗りこなすという挑戦
・急成長の中でバランスを見失う
・新しい価値のモノサシを探る

資本主義を乗りこなすという挑戦

--co-baの運営をしていたツクルバは、2015年に資金調達をしました。当時は周囲に驚かれたのでは?

そうですね。周囲のみなさんも僕たちがいわゆる、スタートアップのような挑戦をするとは考えていなかったかと思います。

--2015年に資金調達した後、2016年には追加の資金調達。このときにはかなり会社の成長速度も高まっていたのではないでしょうか。

めまぐるしい速さで環境が変わっていきました。人は毎月増え、スペースが足りなくなって新しいオフィスに移って。

--ツクルバが「スタートアップ」として変わっていく中で、外部との変化や内部での変化はありました?

ありましたね。まず、外部との変化ですが、これまで僕たちがやってきた「コミュニティ」の価値は、金銭的な価値として表しにくいのでなかなか伝えるのが難しかったんです。

--それはこれまでとベースにする言語が変わったから?

言語を使い分ける必要がでてきたと言ったほうがいいかもしれません。コミュニティの盛り上がりをどう数値化するか、可視化するか、というのは資金調達をする以前から考えていたことでしたが、より強くコミュニティの価値をどう伝えるか?という問いを自らに投げかけるようになりました。

急成長のなかでバランスを見失う

--では、内部での変化は?

自分の心境に変化がありました。大きなうねりの中で、社内外に対してどう振る舞えばいいのか悩んでいたかもしれない。組織の規模も60〜70人に増え、必要以上に代表然としようとして、肩肘を張っていた時期もありました。

--変化に戸惑う日々はどうなっていったんですか?

今、合弁会社を作って「KOU」を一緒に開発している株式会社HAL代表取締役の佐藤道明さんのおかげで次第にバランスを取り戻していきました。佐藤さんは、ツクルバの創業期からメンターとしてアドバイスをしてもらっていて。ずっとそばで見てくれていたんです。

新しい価値のモノサシを探る

--佐藤さんからはどのような言葉をかけられたんですか?

ツクルバが資金調達をしたタイミングで、佐藤さんから資本市場の中での生き抜き方とは異なる、別の価値のモノサシについての勉強会へと誘ってもらうようになりました。読書ゼミのような会を開催していたんです。

--その会が大きな影響を?

その会をきっかけにしつつ、少し後に転機がありました。佐藤さんがグリーンズの学校という講座を見つけて、「これ、一緒に受けてみない?」と誘ってくれて。それが地域通貨の講座でした。

当時、僕自身が地域通貨に詳しかったわけではなかったのだけれど、なんとなく受講を決めました。「お金ってなんだろう」ということを改めて考える時間を通じて、少しずつ「KOU」につながるような思考を積み重ねていきました。

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KOUがどのように生まれ、この先何を目指すのかを今後複数回に渡って紹介していきます。

(次回予告)「地域通貨との出会い、お金のリハビリ」

KOUのサービスストーリーについては、こちらのマガジンからまとめて読むことができます。

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