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コトの報酬

米国の哲学者マイケル・サンデル氏のインタビューが日経に掲載されていました。内容は「報酬で社会貢献度は測れない」というもの。インタビューのなかで、サンデル氏はこうコメントしています。

「報酬が貢献の尺度だという思い込みを払拭すべきだ。ヘッジファンドマネジャーやウォール街の銀行家が高校教師や看護師の5000倍の貢献をしていると言う人はまずいないが、現に極端な報酬格差がある。人々の社会への貢献をいかに測るか道徳的に判断すべきところ、私たちは市場に委ねてしまっている」

ここでの報酬は「金銭」による対価を指していて、たしかにそれだけで社会への貢献度を測る指標にはなりえません。社会貢献度をどう測るかという議論もありますが、「報酬」をどう捉えるかというのもポイントだと思います。

前述のように、報酬といえば対価としての「金銭」や「物品」のことを指しますが、時折「仕事の報酬は仕事」というように、「コト」も報酬として捉えられることもあります。

最近、インクワイアでは地方の小さい企業のコンセプトづくりや、ブランディングの支援をしていて、策定した言葉がクライアントの社内で息づいていて、そのことへの感謝の言葉をいただいたことがありました。

会社は、対価として金銭をもらい、利益を稼がなければ継続できないので、言うまでもなく金銭の報酬はとても大切です。ただ、それのみが目的にならないようにはしていきたい。

ときにはモノかもしれないし、感謝の言葉や人々の変化などのコトかもしれない。そうしたものも報酬として捉えて、仕事をしていける状態を目指すことを忘れないようにしたいと思います。

ついついわかりやすく、短期的に追いかけやすい報酬に目が向いてしまいますから、定期的に意識することも大切ですね。


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モリジュンヤ
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