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地元で多様性を受け入れ、挑戦を後押しする文化を育みたい

僕は岐阜県の美濃加茂市というところで生まれ育った。「近いから」という理由で高校を選び、部活とゲームに時間を割きながら過ごし、現役最後の試合で怪我をして松葉杖生活になった。

部活で失われた時間を取り戻さなければ、と3年生になってからフラフラした結果、無事浪人。卒業後は1年間名古屋の予備校で浪人生活をした。

現役の時は、漠然と名古屋あたりの大学に行こうとしていた。岐阜の人間からすると、名古屋は大都会なのだ。だが、浪人中に毎日名古屋に通っているうちに都会に慣れてきてしまった。慣れは恐ろしい。

慣れもあり、自分のことを知っている人がいない土地にいきたいという気持ちもあって、横浜の大学に進学した。10代の自分にとって、地元はとにかく離れたい対象となった。

20代後半、「地元」のことが気になり始める

20代前半はなかなか仕事もなく、スキルも高いわけではなかった。シェアハウスで暮らし、生活費を抑えながらスキルアップに時間を費やす日々。先のことを考える余裕はほとんどなかった。

仕事で地方に取材に行くことが増えたことで、少しずつ地元のことが気になり始めた。きっと、各地で想いを持って活動する人たちの熱に当てられたのだと思う。

20代後半になって少しずつ余裕が生まれ、地元のことを考えられるようになった。10代のときは窮屈に感じた地元に、もう少し関わる機会が作れたらいいな、そんなことを思うようになってきた。人は変わる(こともある)。

少しずつ、地元の近いところの活動を増やそう。個人的にはそんな想いもありながら、初めたのがIDENTITYだった。

地域のアイデンティティを可視化、醸成する

名古屋に寄って地元へと帰省する機会は多かったが、スマートフォンから検索してもなかなか参考になる情報がない。情報がなければ、その土地の魅力にも気づきにくい。

魅力に気づかなければ、なかなか土地に対する誇り「シビックプライド」も生まれない。シビックプライドがあれば、その土地に存在する社会の課題への関心も自然と醸成されるのでは、と考えていた僕は、そのエリアの魅力を可視化し、アーカイブするメディアをパートナーの碇と作った。

IDENTITYの生まれた経緯に関しては、先日PR Tableさんに取材していただいているので、こちらを読んでもらったほうがいいかも。

なにはともあれ、IDENTITYが始まったことで、岐阜や名古屋に足を運ぶ機会は増えた。僕のような人間は、目的を自分で設定しないとなかなか帰省しない。

仕事が生まれやすくなる環境を作るための仕事を作り、その仕事を目的として帰省の頻度を少しばかり増やした。それが、ローカルメディアの運営やイベントの開催だった。

1人では困難だが、パートナーの碇とIDENTITYで働くメンバーの協力があることで、遠方の東京を拠点としながらも地元での活動を成長させられている。

活動を継続していると、地元である美濃加茂市をなんとかしたいと考える人たちとの接点も増えてきた。プロジェクトとしてスタートした活動も、1年が経過する頃には数字も伸び、現地での活動も活発になってきたので、会社化した。

「法人化するなら、名古屋じゃなくてもう少し自然豊かなところにしようよ」ーーそんな話を碇としたことで、IDENTITYの拠点を地元に作ることになった。

挑戦と多様性の文化を生む拠点を地元に

「街の活性に貢献してくれるなら」と地元の名士の方に駅前のビルを格安で貸していただいた。

IDENTITYのメンバーだけでは、なかなかうまく活用できていなかったところ、美濃加茂市の現地の方々の協力を得ることで次へと踏み出し始めた。

美濃加茂市は、古くは中山道の宿場町として多くの人々が往来し、現在では多くの在留外国人が暮らしている。 IDENTITYで借りた駅前のビルをリノベーションし、国籍や職業、年齢に関係なく人々が集うコミュニティスペースにすることになった。

空きビルをまちの情報発信基地として作り変え、国籍や文化の異なる様々な人が集う宿泊環境やイベントスペースなどを設ける。今は、リノベーションのための費用をクラウドファンディングで集めている。

在留外国人や通信制の学校に通う人たちは、なかなか居場所がない。そういう人たちの居場所にもしていきたい。

地方で新しいことを始めるのは、ハードルがある。なかなか周囲に挑戦する人がいないからだ。挑戦したい人を後押しするような場にもしたい。

地方にずっといると、視野が狭くなりやすい。外部からもっと美濃加茂を訪れる人が増やせるようにするための拠点にしていきたい。

美濃加茂という街が持つ魅力を外部に上手く発信していくための情報発信の拠点にしていきたい。

僕は東京という街を気に入ってる。それは、多様性があり、挑戦に対する抵抗もないからだ。地方は、多様性への免疫もないし、挑戦を後押しする文化もない。

僕は、自分の地元に「MINGLE」という拠点を作ることで、多様性や挑戦を当たり前とする文化を地元に育んでいきたい。

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5月30日までクラウドファンディングに挑戦しています。関心を持ってくださった方は、ぜひプロジェクトページを見てみてください!


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