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無限の不安を有限の課題に転換する

soarの仕事は素晴らしい言葉に巡り合う機会がある。

昨年12月のカンファレンスにゲストとして登壇いただいた、べてるの家の向谷地さんの「今日も順調に問題だらけ」も素敵な言葉だ。

ここでは、その前年のカンファレンスに登壇いただいた熊谷晋一郎先生の言葉を紹介したい。

東京大学准教授の熊谷晋一郎さんは、障害や病気の当事者がグループで経験を分かち合いながら自身の困りごとを研究対象としてときほぐしていく「当事者研究」という営みに携わる研究者であり、自身も脳性麻痺の当事者でもある。「自立とは依存先を増やすこと」という言葉でも知られている。

カンファレンスの中で熊谷先生が語ったのは、“無限で抽象的な不安”が、“有限で具体的な課題”へと転換していった自身の体験だった。親と暮らしている時はとにかく自分の将来に対して不安しかなかった熊谷先生が、ひとり暮らしを始めたことで不安が具体的な課題になったというエピソード。

この無限の不安を有限の課題へと転換するという考え方は多くの場面で必要になる。ほとんどの人は不安を抱えているときにその正体を明らかにすることなく、見えない不安になんとなく苛まれている。

不安があるときは、まず文章として書き出す。頭の中でぐるぐるさせるのではなく、目に見える形にすることだ。不安が課題として可視化されれば、あとは課題をどう解決するかを考えればいい。

書くのが苦手な人でも気にすることはない。世の中には色んなフレームが用意されている。『こころが片付く「書く」習慣』では、考えたことや感じたことを書き出すための様々なフレームワークが紹介されていた。何も、誰かに見せる文章を書くわけではないのだから、気にせず書いてみよう。

sentenceではライターとして活動していきたい人のための機会づくりをしている。だが、文章の力は仕事に留まらない。できるだけ、文章が持つ広い可能性を伝えていきたいと思う。


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